講演情報

[B-6-51]通信装置情報に基づく通信品質推定のための学習データ生成方式

〇木村 明寛1、多治見 知紀1、中野 俊彦1、西山 聡史1、高橋 賢1 (1. NTT株式会社)

キーワード:

学習データ生成、通信品質推定、機械学習

ネットワークの設計・運用では,ある場所・時刻で達成し得る通信品質の把握が,設備増強や品質劣化の原因切り分けに直結する.本稿では,十分な需要をもつ端末が新たに通信を開始したときに到達し得る最大の通信品質(潜在品質)を,通信装置情報から機械学習で推定する課題を扱う.潜在品質の学習データ収集は実測とログ観測に大別されるが,実測は現地作業を要し広域を網羅できず,ログ観測は記録値が通信需要に左右され需要不足時には潜在品質より低くなるという課題がある.そこで本稿では,通常運用中のログから背景負荷と到達し得るスループットとの対応関係を生成する方式を提案する.まずスループットが短時間に急増する区間を需要増加に起因する自然発生的な負荷状態と解釈し,上昇直前の装置情報を入力,上昇後の到達スループットを正解候補とすることで,入力が高スループットの影響を受ける課題を回避する.次にリソース使用率やバッファ滞留,頭打ち,電波品質などから到達値が限界に近いかを判定し,限界に届かない場合は増分比から限界値を外挿するとともに,限界到達の確からしさや外挿距離に応じた重みを付与する.計算機シミュレーションによる評価の結果,提案方式はRMSEを20.6から7.6Mbpsへ63%低減し,全ログ学習で生じる系統的な過小評価をほぼ解消した.