講演情報
[B-6-55]Raspberry Piを用いたクラウドLLMオーケストレーション型分散コード生成システムの構築と評価
◎△久保 友幸1、近藤 大輔2、小比賀 亮仁1、小板 隆浩2 (1. 同志社大学、2. 同志社大学院)
キーワード:
オーケストレーション、ラズベリーパイ、ローカルLLM、分散コード生成、指示形式最適化
近年,大規模言語モデル(LLM)サービスは急速に普及する一方,LLMベンダーによる利用料金の上昇やトークン消費制限の厳格化が懸念されており,クラウドLLMへの全面依存によるコスト増大が課題となっている.本研究では,数万円で入手可能なRaspberry Pi 5(AI HAT+ 2搭載)をワーカーとして用い,クラウドLLM(Claude Haiku 4.5)をオーケストレーターとする分散コード生成システムを構築した.オーケストレーターはタスクを分析して指示を生成し,各ワーカー上のQwen2.5-Coder-1.5Bがメソッドを並列生成,ルールベースで統合するパイプラインを実現した.評価にはPythonクラス生成ベンチマークであるClassEvalの先頭20件を用い,指示形式の異なる5条件(指示なし・自然言語指示・構造化指示・Pythonコメントヒント・Claude直接生成)でpass@1を比較した.実験の結果,コードに近い指示形式(構造化指示・Pythonコメントヒント)がベースライン(条件A・B,pass@1=0.050)に対してpass@1を4倍改善(0.200)することを確認した.また,両条件は通過クラスの内訳が異なり,構造化指示は算術系,Pythonコメントヒントは状態管理系クラスに有効であり,指示形式とタスク特性に相性が存在することが示唆された.クラウドLLM直接生成の上限はpass@1=0.500であり,今後は高性能モデルへの移行,動的な指示形式切替,全100件での評価実験を進める予定である.
