講演情報

[B-9-02]電磁界シミュレーションによるシートトランスの特性評価について

◎松本 晃成1、安部 征哉1 (1. 九州工業大学)

キーワード:

シートトランス、電磁界シミュレーション、近接効果

近年、CanSatと呼ばれる超小型人工衛星の普及に伴い、衛星内部における電源系の軽薄短小化が求められている。電源をシート状に形成することで人工衛星の隙間に設置でき、電源の占める割合を大幅に低減できるが、電源全体の損失の大半をシートトランスが占めているため、低損失化および最適設計が必須となる。 本稿では、2つのスパイラルインダクタを絶縁層を介して張り合わせた空芯トランスを用いた絶縁型シート電源(電流共振コンバータ)を対象とし、電磁界シミュレーションを用いてシートトランスの特性について詳細に検討した。 特性評価の結果、インダクタンスは線幅を太くするに従い減少するものの、周波数への依存性はほとんどないことが分かった。一方、内部抵抗は線幅を太くすると表面積が大きくなり減少するが、ある線幅を超えると近接効果の影響により増加に転じる。また、高周波化に伴う表皮効果の影響によっても内部抵抗が増加することが確認された。さらに、トランスを平面とした場合と湾曲させた場合で比較した結果、両者の特性に大きな差異はなく、湾曲させても平面の場合と同様に安定した特性が得られることが明らかになった。 本研究により、シートトランスのインダクタンスは周波数に依存せず、内部抵抗は線幅および周波数に強い依存性を持つことが判明した。また、湾曲に対する特性の安定性も確認され、人工衛星などに用いるシート電源の最適設計に向けた有用な知見が得られた