講演情報

[C-10_C-11-02]L*a*b* 色空間に基づくドレーン排液画像の多段階分類評価

◎△金津 晶士1、小島 伊織、小島 汐織、小島 洋一郎 (1. 北海道科学大学)

キーワード:

画像、分類

術後ドレーン排液の経時的変化を把握することは、体内出血や感染症などの術後合併症を早期に発見するために極めて重要である。しかし、現在の医療現場では排液色の評価は看護師の視覚に依存しており、観察者間の主観差や再現性の低さが課題となっている。また、半透明なドレーンチューブ表面には鏡面反射や輝度飽和が生じやすく、画像から排液本来の色を正確に取得することは容易ではない。さらに、排液色は術後の経過に伴い血性から漿液性へと連続的に変化するため、カラーチャートのような単一指標による評価では十分な識別が困難である。
そこで本研究では、スマートフォン画像から取得した排液色をL*a*b*色特徴量として定量化し、高輝度反射成分を除去する空間マスク処理を適用することで、臨床的な排液色の推移を多段階かつ客観的に分類する手法について基礎的検討を行った。高輝度反射成分を除去したL*a*b色特徴量を用いることで、ドレーンチューブ内の排液色を多段階に分類できる可能性を示した。特に、目視では識別が困難な同程度の明度を有する淡色領域においても、色成分b*および彩度C*abを用いることで明確な識別が可能であることを確認した。これにより、従来は看護師の経験や主観に依存していた排液色評価を定量化・客観化できる可能性が示され、術後患者の継続的な状態把握や異常の早期発見を支援する基盤技術として期待できる。
今後は、有効画素のみを用いた色特徴量算出法の高度化と試料数の拡充を進めるとともに、色差指標ΔEの経時変化を活用した排液色多段階自動分類システムを構築し、看護業務を支援する実用的な評価システムの実現を目指す。