講演情報
[C-12-08]小型原子時計用デジタル制御FBAR発振器の基礎検討
◎△西尾 和俊1、福岡 政大1、原 基揚2、道正 志郎1、伊藤 浩之1 (1. 東京科学大学、2. 情報通信研究機構)
キーワード:
原子時計、FBAR、圧電薄膜共振子、発振器
従来の小型原子時計では、基準となる電圧制御水晶発振器(VCXO)からPLLを用いて原子の共鳴周波数であるGHz帯信号を生成する構成が一般的であったが、回路規模の大きさとそれに伴う消費電力が低消費電力化のボトルネックとなっていた 。この問題を解決するため、本研究では水晶発振器を排除し、RF発振器を直接フィードバック制御して原子の共鳴周波数にロックする構成を検討した 。提案するデジタル制御FBAR発振器(FBAR DCO)は、チューニング用スイッチトキャパシタアレイをもつFBAR発振器と、高分解能化のための1次および3次カスケードデルタシグマ変調回路(DSM)、さらにスペクトラム拡散により発振周波数近傍のスプリアスを低減するLFSR回路からなるデジタル周波数制御部で構成されている 。このDSM出力によってスイッチトキャパシタアレイの負荷容量を切り替えることで、狭いチューニングレンジ内での精密な周波数調整を可能にするとともに、インバータのソースにインダクタを挿入することで起動時の寄生インダクタンスによる不要モード発振を防止している 。65 nm CMOSプロセスを用いて試作した回路の特性評価を行ったところ、所望の3.4 GHz帯において優れた低位相雑音特性と1.02 Hz/codeの高い周波数分解能が得られた 。さらに、原子時計評価装置を用いた周波数掃引によって原子共鳴の取得にも成功し、提案回路が小型原子時計用の直接制御型RF発振器として使用可能であることを示した。
