講演情報
[C-12-44]視覚障がい者向けウェアラブルナビゲーションシステムにおける視覚-聴覚変換モジュールの実装と評価
◎虎澤 昂太朗1、片浦 碧1、段 雨琪1、鈴木 章広1、川島 凌太朗1、Thianmontri Pattaramon1、櫻井 雪乃1、福島 誉史1、清山 浩司2、田中 徹1 (1. 東北大学、2. 長崎総合科学大学)
キーワード:
ナビゲーションシステム、視覚-聴覚変換、物体検出、歩行支援
視覚障がい者の安全な歩行を支援するため、GPSや地図情報を用いた経路案内システム、カメラや距離センサにより障害物を検出して振動・音で通知する支援機器が提案されてきた。しかし、これらの多くは提示刺激を利用者が知覚・解釈し、回避行動を判断する必要があるため、応答遅れや認知負荷の増大が課題となる。本研究では、視覚情報を聴覚情報へ変換して周辺環境の把握を支援するSensory Modality Conversion(SMC)モジュールと、反射的な回避行動を促すGalvanic Vestibular Stimulation(GVS)モジュールを組み合わせたウェアラブルナビゲーションデバイス「SMC-Device」を提案する。本稿では特に、視覚情報を音情報へ変換するSMCモジュールの実装と評価について述べる。提案モジュールでは、YOLOv11を用いて歩行者、車両、信号機などの物体カテゴリをリアルタイムに認識し、カテゴリを音の高さに、距離センサで取得した対象物までの距離を音量に対応付けることで、利用者が対象物の種類と近さを直感的に把握できるようにした。音生成回路はDAC、VCO、LPF、VGAから構成し、TSMC 0.18-µm CMOSテクノロジを用いて設計・試作した。評価の結果、デジタル回路およびDACの入出力特性、VCOの周波数制御、VGAの振幅制御がいずれも安定に動作することを確認した。また、距離に応じた音量の連続変化と、複数物体環境における優先対象の切替に伴う出力周波数の変化を確認した。消費電力は7.6 mWであり、ウェアラブル機器への実装に適した低消費電力性を示した。以上より、提案SMCモジュールは物体の種類と距離を直感的な音提示として伝達できる可能性を示した。
