講演情報

[C-14-09]光パルス圧縮を用いた300 GHz ビート出力増大におけるSBS 低減用位相変調の影響抑圧

〇高橋 佑輔1、鈴木 将之1、戸田 裕之1 (1. 同志社大学)

キーワード:

マイクロ波フォトニクス、マイクロ波・ミリ波発生、光パルス圧縮、分散補償、非線形ファイバ光学

本研究では,光ビート法による300 GHz帯RF信号発生において,高非線形ファイバ(HNLF)を用いた光パルス圧縮によるRF出力増大を検討した。光パルス圧縮時には誘導ブリルアン散乱(SBS)の影響を低減するため,光源に位相変調を加える必要があるが,この位相変調はRF出力波形に影響を及ぼす可能性がある。そこで本稿では,HNLFの前段に分散補償ファイバ(DCF)を配置し,SBS低減用位相変調が300 GHzビート出力へ与える影響の抑圧効果をシミュレーションにより評価した。周波数差300 GHzの2つの連続光に対して,300 MHz,変調深さ20 radの位相変調を加えた後,DCFおよびHNLFを通過させ,光検出後の300 GHz RF成分の出力を解析した。その結果,DCFを用いない場合,入力ピークパワー24.0 dBm,HNLF長920 mにおいてRF利得は最大5.2 dBとなった。また,HNLFの分散を補償するDCF長2.56 mを前置した場合にも,最大RF利得はほぼ維持されることが確認された。さらに,DCF長を適切に設定することで,RF出力に現れる位相変調成分を大幅に低減でき,DCF長2.56 mにおいて位相変動はシミュレーション時間分解能である0.2 fsまで抑圧された。以上より,DCF前置による分散補償は,HNLFを用いた300 GHzビート出力増大において,SBS低減用位相変調の影響を抑えつつRF出力増大を実現する有効な手法であることが示された。