講演情報
[C-15-11]GA に基づくRF-DC 変換回路自動設計における破棄EM履歴のSHAP解析を用いた空間感度マップ抽出
◎赤田 拓磨1、藤森 和博1 (1. 岡山大学)
キーワード:
説明可能AI、遺伝的アルゴリズム、RF-DC変換回路
遺伝的アルゴリズム(GA)などの最適化手法は,あらかじめ用意した等価回路に縛られない自由な形状探索により,高効率なマイクロ波回路を合成できる.しかし,得られる形状は直感に反することが多く,動作原理が分かりにくい.このため技術者は,回路のどの部分が性能を決めているかを判別できず,製造ばらつきを見込んだ設計や,設計後のネジ穴・ビア追加といった改変が難しいという課題があった.本稿では,追加の電磁界(EM)シミュレーションを行わずに,回路の物理座標上へ感度の分布を後から描き出す手法を提案する.具体的には,GA探索の過程で評価されながら捨てられていた多数のEM計算結果を再利用し,回路の形状から性能を予測する代理モデルを構築したうえで,予測の根拠を可視化する説明可能AI(SHAP)を適用する.5.8GHz帯RF-DC変換回路を対象に,5回の独立な探索で得た約20万件の計算履歴を用いて解析した.その結果,ダイオード直後の出力側領域が全試行で共通して最も感度が高い「急所」として特定された.一方,設計空間の約4割を占める外縁部は性能にほとんど影響しない低感度の領域であり,設計後の改変に適した安全な余地であることが示された.実際にEMシミュレーションで形状を変えて検証すると,急所の領域を±10%変化させた場合は性能が18〜27%悪化したのに対し,低感度領域への孤立した部品の追加による影響は0.3%以下にとどまった.これらの結果より本手法は,追加のEM計算を要することなく,自由な形状による最適化設計と,実用的な製造性の評価との橋渡しを行うことを確認した.
