講演情報
[C-8-01]Dual-rail直結型断熱量子磁束パラメトロン回路を用いた
4-bit デコーダの測定
◎△長谷川 由多1、山梨 裕希1,2、吉川 信行1,2 (1. 横浜国立大学、2. 横浜国大 IAS)
キーワード:
超伝導、超伝導集積回路、デコーダ、断熱回路、回路測定
現在、半導体集積回路は高集積化と消費電力に関する課題に直面している。特に生成AI、データセンタの普及による電力消費の増加は国際問題となっており、早急な対応が求められている。その問題の解決策として、超伝導集積回路が注目を集めている。その一つが断熱量子磁束パラメトロン(AQFP)回路であり、断熱的なスイッチング動作により半導体集積回路と比較して消費電力を大幅に低減できる。直結型断熱量子磁束回路(DQFP)回路は、信号トランスの磁気結合部を除去したAQFP回路の小型化版である。我々は、このDQFP回路の回路論理の一つであるDual-rail DQFP(D2QFP)を用いて、より小さな面積で大規模回路を設計することを目標としている。今回はD2QFPにおいて設計したスケーラブルな4-bit デコーダにおいて、4.2K, 100kHzの測定により、その動作を確認した。結果は16パターンすべての入力に対し、所望の出力が確認できた。また、マージンはACで-50~+15%ほど、DCにおいては-30~+15%ほどのマージンとなり、負方向に寄ってしまっているものの、広さとしては十分に確保することができた。加えて、この回路のbuffer、splitterには最大で530, 230μmの配線が繋がれていた。このうち、splitterはAQFPの最大配線長とおおむね同等であり、DQFP回路が配線長の面においてAQFP回路と同等、もしくはそれ以上の性能を発揮することも確認することができた。本研究は、DQFP回路が接合数500程度の大規模回路において、AQFP回路と少なくとも同等の性能が発揮できることを示し、DQFP回路のさらなる大規模回路への応用に繋げるものである。
