講演情報

[C-8-03]周波数同期を用いた小面積単一磁束量子ストカスティックメモリの設計と評価

〇多川 泰人1、吉川 信行1,2,3、山梨 裕希1,2,3 (1. 横浜国立大学、2. 横浜国立大学先端科学高等研究院、3. 横浜国立大学総合学術高等研究院)

キーワード:

単一磁束量子回路、超伝導回路、ストカスティックコンピューティング、ストカスティックメモリ

ストカスティックコンピューティング(Stochastic Computing: SC)は確率的演算であり、ストカスティック数(Stochastic Number: SN)と呼ばれるビット列内の“1”の存在確率を用いて演算を行う。SCでは、演算精度の向上のためにビット列の長さを増やす必要があることから、我々は動作周波数が高い単一磁束量子(Single Flux Quantum: SFQ)回路を用いたSC回路を研究している。SC回路の応用では、一度生成または処理したSNを再利用することが想定される。このような処理ではSNを小面積で保持し必要に応じて再出力できるメモリが重要である[1]。そこで本研究ではSNの値を保持し読み出し時に同じSNであるビット列を出力するメモリをストカスティックメモリと呼び、周波数同期[2]を用いた単一磁束量子ストカスティックメモリを設計した。本回路では、回路に保存されるSNの精度と、書き込み時にSRNGの出力確率が保存対象のSNに調整されるまでのクロックパルス数の間にトレードオフの関係がある。両者は、SRNGの特性と共通制御電流線のインダクタンスにより決定される。本回路は配線部分を除いて41個のジョセフソン接合で構成され、小面積なメモリとして利用できる。最高動作周波数はSRNGにより制限され、約30 GHzである。本発表では提案するストカスティックメモリの具体的な動作およびその評価の詳細について示す。