講演情報

[N-1-02]リング状に結合した水平Rijke管に生じる振動停止現象の安定性解析

〇野上 祥吾1、杉谷 栄規1、小西 啓治1、原 尚之1 (1. 大阪公立大学)

キーワード:

熱音響不安定性、振動停止現象、リングネットワーク、遅延結合

熱音響自励振動は,ロケットエンジンやガスタービンエンジンなどの燃焼器において発生し,騒音や機器損傷を引き起こす深刻な問題である.そのため,熱音響自励振動を効果的に抑制する手法の確立が求められている.熱音響自励振動の解析には,水平Rijke管が代表的なトイモデルとして広く用いられている.近年,複数の水平Rijke管をチューブで結合することで振動を抑制できることが報告されており,既存システムへ比較的容易に適用可能な手法として注目されている.しかし,環状燃焼器を模擬したリング状ネットワークにおいて,どの管同士を結合することが振動抑制に有効であるかについては十分に明らかになっていない.
本研究では,8本の水平Rijke管をリング状に配置し,隣接する管同士を拡散結合したネットワークモデルを対象とする.さらに,2本の管の間にチューブを介した遅延結合を1本追加し,遅延結合する管の組み合わせが振動停止現象の安定性に与える影響を調査した.
まず,平衡点周りの線形安定性解析を行い,代表根の実部に基づいて平衡点が局所的に安定となるパラメータ領域を求めた.その結果,リング上でより離れた管同士を遅延結合した場合ほど,より小さな結合強度で平衡点が安定化することが確認された.次に,数値積分により振動状態および抑制状態の遷移を調査した.その結果,リング上でより離れた管同士を遅延結合した場合ほど,平衡点が大域的に安定となるパラメータ領域が拡大することが示唆された.
以上の結果から,水平Rijke管の環状ネットワークにおいて,リング上でより離れた管同士を遅延結合することが,熱音響自励振動の抑制に有効であることが示唆された.本研究の知見は,環状燃焼器における熱音響自励振動の抑制手法の設計指針として活用できる可能性がある.