講演情報

[N-1-13]低精度量子化EDMDのGPU実装と予測安定性の評価

◎△原 佑心1、大久保 潤1 (1. 埼玉大学)

キーワード:

クープマン作用素、拡張動的モード分解、ディザー量子化、GPU実装、低精度演算

センサネットワークや組込み制御システムでは通信帯域・演算資源の制約からデータ量子化が不可避である。Koopman演算子理論に基づくEDMD(Extended Dynamic Mode Decomposition)は非線形動的システムを有限次元線形系として近似する手法として広く用いられているが、量子化環境下での予測安定性は十分に解明されていない。先行研究はディザー量子化がEDMD推定誤差に与える理論的影響を示したが、量子化後のデータをどの演算精度で処理するかという計算パイプライン側の影響は未検証であった。本研究ではCUDA(cuBLAS/cuSOLVER)を用い、van der Pol振動子に対するディザー量子化EDMDをGPU上に精密に再現し、倍精度(FP64)演算下で量子化ビット数bと予測安定性の関係を定量的に検証した。量子化ビット数の増加に伴い推定誤差が理論的傾きに近い速さで指数的に減少し、10bit以上では長時間ロールアウトでも真のリミットサイクルに追従する予測が得られることを確認した。今後はTensorコアが対応する低精度フォーマット(FP16/FP8/MXFP8)をEDMDの計算段階(GEMM・SVD)ごとに切り分けて適用し、どの段階が予測安定性に最も影響するかを明らかにする選択的低精度化を検討する。