講演情報
[N-1-17]多次元非線形系における部分観測で生じるエントロピーの調査
〇斉藤 博生1、大久保 潤1 (1. 埼玉大)
キーワード:
部分観測、不確実性、一般化ランジュバン方程式、シャノンエントロピー
自然現象や工学システムの挙動の解析のために時系列データが利用されるが,その際,すべての変数に対するデータを取得できない場合も多く,実際には観測可能な情報が限られている.そのため,対象が決定論的法則に従う場合でも,未観測変数の影響によって予測には不確実性が生じる.このような部分観測に起因する不確実性は,予測精度を制限する重要な要因である.
この課題に対し,先行研究では一般化ランジュバン方程式(Generalized Langevin Equation: GLE)を用いて観測データを予測する手法が提案されている.GLEは,多次元システムを観測可能な変数のみで記述する枠組みであり,未観測変数の影響をメモリカーネルとノイズ項によって表現することで,部分観測下での予測モデルの構築を可能にしている.このような手法が提案されている一方で,部分観測によって生じる不確実性そのものについては十分に検討されていない.
そこで本研究では,部分観測下における予測の不確実性と変数ごとの重要性を評価するため,2つのエントロピーに基づく手法を提案する.一つはGLEの各項の時間発展分布から求めたシャノンエントロピーを用いる手法,もう一つは時系列データから求めた条件付きエントロピーを用いる手法である.これらを用いた数値実験により,システム構造や観測変数の違いによるエントロピーの振る舞いを比較した.結果として,両手法とも独立項が加えられた変数を観測した場合にエントロピーが小さくなり,観測変数の影響が他の変数へ伝播する場合にはエントロピーが大きくなるといった,部分観測による不確実性の関係性を確認した.また,両手法で得られた不確実性の傾向には類似した振る舞いが見られるものの,条件付きエントロピーを用いる手法の方が観測変数の違いによる不確実性をより顕著に捉えられることを確認した.
この課題に対し,先行研究では一般化ランジュバン方程式(Generalized Langevin Equation: GLE)を用いて観測データを予測する手法が提案されている.GLEは,多次元システムを観測可能な変数のみで記述する枠組みであり,未観測変数の影響をメモリカーネルとノイズ項によって表現することで,部分観測下での予測モデルの構築を可能にしている.このような手法が提案されている一方で,部分観測によって生じる不確実性そのものについては十分に検討されていない.
そこで本研究では,部分観測下における予測の不確実性と変数ごとの重要性を評価するため,2つのエントロピーに基づく手法を提案する.一つはGLEの各項の時間発展分布から求めたシャノンエントロピーを用いる手法,もう一つは時系列データから求めた条件付きエントロピーを用いる手法である.これらを用いた数値実験により,システム構造や観測変数の違いによるエントロピーの振る舞いを比較した.結果として,両手法とも独立項が加えられた変数を観測した場合にエントロピーが小さくなり,観測変数の影響が他の変数へ伝播する場合にはエントロピーが大きくなるといった,部分観測による不確実性の関係性を確認した.また,両手法で得られた不確実性の傾向には類似した振る舞いが見られるものの,条件付きエントロピーを用いる手法の方が観測変数の違いによる不確実性をより顕著に捉えられることを確認した.
