講演情報
[N-1-29]脈波ピーク同期NIR顔画像から抽出したフラクタル特徴に基づく血圧推定モデルの構築
〇中西 仁1、南雲 健人1、野澤 昭雄1 (1. 青山学院大学)
キーワード:
フラクタル次元、自己相似性、近赤外顔画像、血圧推定
高血圧の予防や早期発見において日常的な血圧モニタリングが求められており,単一の近赤外(NIR)顔画像に基づく血圧推定モデルの研究が進められている.しかし,従来の手法では局所的な特徴しか捉えられず,血圧と画像の取得タイミングの非同期が課題であった。本研究では、顔面全体の皮下血流分布の変動を大域的に捉える「フラクタル特徴」に着目し,脈波ピーク同期NIR顔画像を用いた収縮期血圧(SBP)推定モデルを構築した.健常男性1名を対象に,冷水負荷(CPT)課題によって血圧上昇を誘発し,連続血圧と多波長NIR顔画像を取得した.血圧波形とNIR顔画像の平均輝度値から相互相関分析によって時間差を算出し,SBPの最高ピークに対応する最低輝度画像を148枚抽出した。抽出した画像に対して空間的標準化および目と口のマスク処理を施した後,解析領域(X×X)と単位領域(Y×Y)を可変的に走査してフラクタル次元を算出.これをラッソ回帰に適用し,5分割交差検証により個人モデルの評価を行った.パラメータ走査の結果,X=130,Y=8の条件において推定誤差が最小となった.平均絶対誤差(MAE)は8.314 mmHg,相関係数Rは0.741となり,個人のSBPの変動傾向を一定程度追従できる可能性が示された.しかし,推定値のばらつきは依然として大きく,実用的な精度には至っていない.今後は,空間標準化後の画像解像度やマスク領域の指定範囲がフラクタル次元の算出に与える影響の検討が必要である.
