講演情報
[N-2-03]光周波数コムと相互結合された半導体レーザによる周波数帯域拡大と高速物理乱数生成
◎保刈 天佑1、曾 致豪1、齋藤 大輝、山上 智輝1、内田 淳史1 (1. 埼玉大学 大学院理工学研究科 情報工学プログラム 内田研究室)
キーワード:
光周波数コム、相互結合、カオス、半導体レーザ、周波数帯域拡大
近年,暗号通信や大規模シミュレーションへの応用に向けて,高速かつ高品質な物理乱数生成技術が求められている。本研究では,相互結合された2つのシングルモード半導体レーザに,位相変調によって生成した光周波数コムをそれぞれヘテロダイン検波することにより,周波数帯域が拡大した半導体レーザカオスを生成し,高速物理乱数生成への応用を検討した。実験では,2台の半導体レーザを相互光注入によりカオス発振させ,波長可変レーザに位相変調器を用いて生成した光周波数コムと干渉させた。得られた信号の時間波形,RFスペクトルおよび光スペクトルを評価した結果,高速かつ不規則な時間ダイナミクスが観測され,RFスペクトルは約60 GHzまで広帯域化するとともに,光周波数コムに対応するスペクトル成分を確認した。さらに,200 GS/sで取得した時間波形から乱数を生成し,NIST SP 800-22による統計検定を実施した結果,LD1およびLD2の双方において後処理後の下位5ビットが全15項目の検定に合格した。これにより,2チャネルを用いた合計2.0 Tb/sの高速物理乱数生成を達成した。本手法は,相互結合半導体レーザと光周波数コムを組み合わせることでカオス信号の周波数帯域を拡大し,高速・高品質な物理乱数生成を実現できる有効な手法であることを示した。
