講演情報
[LS15-2]超高速解析系を用いた重症新生児に対する迅速なゲノム診断アプローチ
○武内 俊樹 (慶應義塾大学医学部 小児科)
次世代シーケンサーによる網羅的遺伝子解析技術の進歩と普及により、遺伝性疾患の診断率が大幅に向上し、医療の各分野におけるゲノム診断情報の利用が進んでいる。遺伝性疾患の予後改善を目指して、網羅的遺伝子診断を医療現場、特に迅速さが求められる集中治療室における診療に実装するためには、診断期間の短縮が課題である。コンピューター処理能力・バイオインフォマティクスの長足の進歩により、ゲノム診断に要するコストと期間が低下してきている。迅速なゲノム診断のためのツールとして、FPGA (Field Programmable Gate Array) を利用した次世代シーケンサーのデータ処理に特化したプロセッサーであるDRAGEN (Dynamic Read Analysis for GENomics) を紹介しつつ、今後の新生児集中治療室における迅速な網羅的遺伝子診断の臨床実装に向けての課題と展望についてお話ししたい。