講演情報

[LS5]インヴィテのMulti-Gene Panel を活用した臨床研究で得られた新たな知見と経験、今後の展開

Swaroop Aradhya (Head of Genetic Diagnostics & Global Medical Affairs, Invitae Corporation)
インヴィテは北米を中心に遺伝学的検査サービスを提供しており、NGS を使用したアッセイと、独自の解釈アルゴリズムを使用し結果を報告しています。
本セッションの前半では、インヴィテ社のグローバルの遺伝子診断責任者が “臨床NGS シーケンスのイノベーション:より早く診断に到達できる患者への支援” というテーマで、インヴィテのMGP による NGS アプローチについて説明します。
後半では、2019年より東京医科歯科大学病院が開始した臨床研究 INSIGNIA を通して得られた新たな知見と経験、今後の展開についてお話しします。本臨床研究では遺伝性腫瘍、家族性高コレステロール血症、遺伝性心筋症のいずれかが疑わ
れる患者とその血縁者を対象に、インヴィテ社の multi-gene panel (MGP)を使用した遺伝学的検査を行いました。本邦では費用や保険収載の点などから MGP が米国ほど普及しておらず、腫瘍領域においても単一遺伝子検査が中心に使われて
います。しかし、MGP は一度に多くの遺伝子を調べられることから、複数の疾患が鑑別候補となる場合や、候補遺伝子が絞り切れない場合などに有用性が高く、患者および医療者にとって時間的・経済的負担の軽減になる一面があります。
一方、多くの遺伝子を対象とすることから、想定外の遺伝子において病的バリアントが検出されたり、VUS が頻発したりするため、これらの結果にも対応ができるよう、事前の説明や事後のフォローが重要となります。この講演では、遺伝子診療の現場において、MGPのこれまでの使用感や、VUSへの対応等についてポスター発表ではお伝えしきれなかった内容も含めてお話いたします。