講演情報

[O12-1]当院でのNIPT陽性例および判定保留例の検査精度についての検討

鬼頭 慧子, 鈴森 伸宏, 熊谷 恭子, 後藤 志信, 澤田 祐季, 吉原 紘行, 大谷 綾乃, 武田 恵利, 杉浦 真弓 (名古屋市立大学病院 産科婦人科 臨床遺伝医療部)
【目的】当院で無侵襲的出生前遺伝学的検査(NIPT)を受け、検査結果が陽性または判定保留例の検査精度を検討することを目的とした。【方法】2013年4月から2022年3月までの間に、当院で遺伝カウンセリングおよびNIPTを実施した症例を対象とし、検査陽性例および判定保留例での検査精度について倫理委員会承認のうえ後方視的に検討した。【結果】対象は9,193例(単胎9,005例、双胎188例)であった。結果が陽性の症例は143例(1.5 %)、内訳は21トリソミー(T21) 84例、18トリソミー(T18) 46例、13トリソミー(T13) 14例で、陽性的中率が全体で86.2 %、T21は94.0 %、T18は93.4 %、T13は28.5 %であった。陽性例143例中、116例が確定検査を実施し、18例が偽陽性と診断された。一方、判定保留例は全体で40例(0.43 %)であった。NIPT再検査を実施した35例中、28例が陰性、2例が陽性、5例で再度判定保留の結果となった。この5例中4例で羊水検査を実施し、いずれも正常核型であった。なお、出産後アンケート調査では偽陰性の報告はなかった。 【考察】当院で偽陰性はなく、判定保留となった症例では陰性である確率が90%以上であることが確認された。NIPT陽性症例のうち、偽陽性が15.5%占めた。T13ではT21,T18に比較し陽性的中率が低い傾向にあり、確定検査の実施や妊婦・家族に対する適切な情報提供が必要と考えられた。