講演情報
[O12-2]NIPTで21、18、13番以外の染色体トリソミーが指摘されたケースの転帰
○中村 靖1, 山田 研二1, 田村 智英子1, 井原 千琴1, 金沢 誠司1, 宋 美玄1,2, 紀平 力1,3 (1.FMC東京クリニック, 2.丸の内の森レディースクリニック, 3.帝京大学医学部産婦人科)
【目的】学会認定を受けずにNIPTを行っている施設で実施されている検査で、21、18、13番以外の染色体トリソミー陽性と指摘されたケースについて、これに続く検査選択ならびに管理について検討する。【方法】2019年8月から2021年4月までの間に、学会認定を受けていないNIPT検査医療機関で受けた検査の結果、21、18、13番以外の染色体トリソミー陽性を指摘された7例について検査施設でのその後の対応や当院で行った羊水検査結果、およびその後の妊娠経過について情報収集した。【成績】7例の内訳は、7トリソミーが2例、6番、10番、15番、16番、20番のトリソミーがそれぞれ1例であった。全てのケースで羊水穿刺し、SNPマイクロアレイ検査を行った結果、トリソミーやモザイクが存在したケースはなかった。6トリソミーおよび16トリソミー陽性ケースにおいて、母親由来の片親性ダイソミーが確認された。また、7トリソミー陽性のケースにおいて、他の染色体の均衡型転座や部分欠失が判明した。全例が妊娠を継続し、5例は分娩にいたり、残り1例は妊娠継続中であるが、1例に胎児発育不全が認められた。【結論】妊娠が継続している状況でNIPTの結果として常染色体トリソミー陽性を指摘されているケースでは、胎盤モザイクの存在や、片親性ダイソミーに起因する問題、常染色体劣性遺伝疾患発症の可能性など、複雑な問題に対応することが必要である。