講演情報
[O17-4]当院でBRACAnalysisを実施しVUSから解釈変更が生じた5例の検討
○高津 美月1, 金子 景香1, 幅野 愛理1, 新川 裕美1, 箕浦 祐子1, 土橋 映仁2, 古川 孝広3, 稲荷 均4, 上野 貴之4, 大野 真司4, 野村 秀高5, 温泉川 真由5, 金尾 祐之5, 湯浅 健6, 米瀬 淳二6, 春日 章良7, 尾阪 将人7, 笹平 直樹7, 植木 有紗1 (1.公益財団法人がん研究会有明病院 臨床遺伝医療部, 2.公益財団法人がん研究会がん研究所 分子標的病理プロジェクト, 3.公益財団法人がん研究会有明病院 先端医療開発科 がん早期臨床開発部, 4.公益財団法人がん研究会有明病院 乳腺センター, 5.公益財団法人がん研究会有明病院 婦人科, 6.公益財団法人がん研究会有明病院 泌尿器科, 7.公益財団法人がん研究会有明病院 肝胆膵内科)
【背景】
BRACAnalysis診断システムの検査結果は陽性、陰性に分類され、陰性の中にはVUS (Variant of Uncertain Significance) が含まれる。VUSは臨床上陰性と同様に扱われるが将来的には解釈変更、修正報告書発行の可能性がある。
【目的】
当院のBRACAnalysisで検出されたVUSの現状を検討し、解釈変更症例について考察する。
【対象】
2018年6月の保険収載以降2022年4月までに当院で実施した2,034例 (重複含む2,054バリアント) とした。
【結果】
検出されたバリアントの内訳は病的バリアント220件 (10.7%) 、VUS 83件 (4.0%) 、臨床的意義なし1,744件 (84.9%) 、Inconclusive 6件、Special Interpretation 1件であった。遺伝カウンセリング実施率は陽性95.9%、VUS 85.7%であった。VUS 83件中5件は後に、陰性に解釈が変更され報告された。5件のバリアントは全てBRCA1であり、重複を含む3種類で全てミスセンス変異であった。修正報告書受領までの期間は中央値5.5ヶ月 (3-12) であった。修正報告書返却目的での遺伝カウンセリングを5例中3例に実施した。未実施の2例中1例では病的バリアントが同時に検出され既にHBOCとして医学的管理が行われており、もう1例は現在受診調整中である。なおVUSおよび修正報告書返却前には当該バリアントについてClinVar、HGMD、ToMMO等のデータベースを確認し、CADDスコアにて病原性評価を行っている。それらの情報と患者の既往歴及び家族歴を参照し、部内でのディスカッションの上結果を返却している。
【考察】
VUSの解釈変更を複数例経験した。検討期間およびデータ数が不十分ではあるが、修正報告書受領までの期間は過去の欧米からの報告と比較して短期間であった。VUS結果返却の際には将来的な解釈変更の可能性について言及しておくことが重要である。また解釈変更は発端者のみならず血縁者にとっても有意義な情報であるため、各診療科との連携によるリコンタクト体制の構築が肝要である。
BRACAnalysis診断システムの検査結果は陽性、陰性に分類され、陰性の中にはVUS (Variant of Uncertain Significance) が含まれる。VUSは臨床上陰性と同様に扱われるが将来的には解釈変更、修正報告書発行の可能性がある。
【目的】
当院のBRACAnalysisで検出されたVUSの現状を検討し、解釈変更症例について考察する。
【対象】
2018年6月の保険収載以降2022年4月までに当院で実施した2,034例 (重複含む2,054バリアント) とした。
【結果】
検出されたバリアントの内訳は病的バリアント220件 (10.7%) 、VUS 83件 (4.0%) 、臨床的意義なし1,744件 (84.9%) 、Inconclusive 6件、Special Interpretation 1件であった。遺伝カウンセリング実施率は陽性95.9%、VUS 85.7%であった。VUS 83件中5件は後に、陰性に解釈が変更され報告された。5件のバリアントは全てBRCA1であり、重複を含む3種類で全てミスセンス変異であった。修正報告書受領までの期間は中央値5.5ヶ月 (3-12) であった。修正報告書返却目的での遺伝カウンセリングを5例中3例に実施した。未実施の2例中1例では病的バリアントが同時に検出され既にHBOCとして医学的管理が行われており、もう1例は現在受診調整中である。なおVUSおよび修正報告書返却前には当該バリアントについてClinVar、HGMD、ToMMO等のデータベースを確認し、CADDスコアにて病原性評価を行っている。それらの情報と患者の既往歴及び家族歴を参照し、部内でのディスカッションの上結果を返却している。
【考察】
VUSの解釈変更を複数例経験した。検討期間およびデータ数が不十分ではあるが、修正報告書受領までの期間は過去の欧米からの報告と比較して短期間であった。VUS結果返却の際には将来的な解釈変更の可能性について言及しておくことが重要である。また解釈変更は発端者のみならず血縁者にとっても有意義な情報であるため、各診療科との連携によるリコンタクト体制の構築が肝要である。