講演情報
[O32-4]臨床遺伝専門医の研修・認定についての国際比較
○運崎 愛1,2, 鈴木 みづほ1,2, 大貫 優子1,2, 竹下 啓1,2 (1.東海大学 医学部 基盤診療学系 医療倫理学, 2.東海大学 医学部 付属病院 遺伝子診療科)
【背景】本邦の臨床遺伝専門医は2022年現在、約1600人と増加傾向であるが、専門医取得後の遺伝医療へのエフォートは個人差が非常に大きい。3年間の研修、専門医試験を経て専門医となった後、様々な事情により専門性を活かせていない医師もいる。そこで、専門性を活かしたキャリアにつながる手がかりの探索を目的として海外との比較検討を行うこととした。
【目的】臨床遺伝専門医の研修・認定について、日本と海外を比較検討する。
【方法】「臨床遺伝専門医」、「Clinical Geneticist」、「Medical Geneticist」等の単語を検索ワードとしてインターネット検索を行い、遺伝関連の学会サイトや文献から日本と海外(米国、EU、香港、台湾等)の状況を調査する。
【結果】研修期間は2-5年の幅があった。米国は診療科のレジデント修了後、2年間の臨床遺伝フェローシップが必要、EUは研修期間が4年もしくは5年で、分野別に研修期間が設定されていた。香港は研修期間が3年で、2年間は既定の研修、3年目は選択であった。台湾は研修応募要件として小児科学の学位があった。日本と他国との違いとしては、日本の場合、研修内容が周産期、小児期、成人期、腫瘍というやや大まかな分類であるのに対して、他国は必要な分野とその研修期間が比較的明確に記載されており、厳格さ、専門性の高さがうかがえた。
【考察】日本の研修期間は3年と他国と同程度だが、既定の研修モデルがないため、研修内容の個人差が非常に大きいというのが実状である。一方で、自由度が高く、個人の専門や勤務体制に合わせて調整可能という利点もある。今後、臨床遺伝専門医のサブスペシャルティ領域への認定が期待されるが、そのためにも臨床遺伝専門医の幅広い認知と、研修へのアクセス向上を目指すとともに、研修内容の充実と専門医の質の担保にも努めていく必要があると考えられた。
【目的】臨床遺伝専門医の研修・認定について、日本と海外を比較検討する。
【方法】「臨床遺伝専門医」、「Clinical Geneticist」、「Medical Geneticist」等の単語を検索ワードとしてインターネット検索を行い、遺伝関連の学会サイトや文献から日本と海外(米国、EU、香港、台湾等)の状況を調査する。
【結果】研修期間は2-5年の幅があった。米国は診療科のレジデント修了後、2年間の臨床遺伝フェローシップが必要、EUは研修期間が4年もしくは5年で、分野別に研修期間が設定されていた。香港は研修期間が3年で、2年間は既定の研修、3年目は選択であった。台湾は研修応募要件として小児科学の学位があった。日本と他国との違いとしては、日本の場合、研修内容が周産期、小児期、成人期、腫瘍というやや大まかな分類であるのに対して、他国は必要な分野とその研修期間が比較的明確に記載されており、厳格さ、専門性の高さがうかがえた。
【考察】日本の研修期間は3年と他国と同程度だが、既定の研修モデルがないため、研修内容の個人差が非常に大きいというのが実状である。一方で、自由度が高く、個人の専門や勤務体制に合わせて調整可能という利点もある。今後、臨床遺伝専門医のサブスペシャルティ領域への認定が期待されるが、そのためにも臨床遺伝専門医の幅広い認知と、研修へのアクセス向上を目指すとともに、研修内容の充実と専門医の質の担保にも努めていく必要があると考えられた。