講演情報

[P1-1]異なるアクロセントリック染色体短腕に転座していた22q partial tetrasomy (triplication)のメカニズムの考察

山本 圭子1,2, 西 恵理子3, 岡本 伸彦3, 菅野 仁1,2, 山本 俊至1,4 (1.東京女子医科大学輸血細胞プロセシング科, 2.東京女子医科大学ゲノム診療科, 3.大阪母子医療センター遺伝診療科, 4.東京女子医科大学大学院医学研究科先端生命医科学系専攻遺伝子医学分野)
【はじめに】Partial tetrasomyは11pや15q、18pなど、特定の領域における反復性tetrasomyがよく知られている。今回、マイクロアレイ染色体検査で22q triplicationを認め、過剰部分が15pと22pにそれぞれ転座していた症例を経験し、発生メカニズムについて考察した。【症例】症例は1歳男児。出生直後、呼吸障害のため酸素投与を受けた。生後5か月時にけいれん発作が出現し、以後抗てんかん薬にて治療中。運動発達は座位まで、言語発達では有意後なしで発達遅滞を認め、成長障害・小頭症も認められた。マイクロアレイ染色体検査で22qのテロメアから約8-Mbの3重複を認めた。切断端は一か所だけであった。FISH検査により、重複の一方は22pに、もう一方は15pに位置していることが明らかになった。両親に異常はなく、de novo変化であった。【考察】本症例においては、2コピー過剰となった染色体テロメア部分が異なるアクロセントリック染色体短腕に転座していた。この現象を説明できるメカニズムは過去に報告がない。