講演情報

[P1-3]KMU統合型アプリケーションによる相互転座保因者の解析結果について

尾崎 守1, 池田 敏郎2, 遠藤 俊明3 (1.金沢医科大学 総合医学研究所, 2.鹿児島大学病院 遺伝カウンセリング室, 3.札幌医科大学 産科婦人科教室)
【はじめに】相互転座保因者の遺伝カウンセリングを支援するツールとして開発してきたが、昨年度末にほぼ完成した.【目的】本アプリケーションの解析精度を不均衡型転座児出産既往歴のある相互転座症例で解析し結果を照合・評価する.【方法】Davis J R et al. Balanced reciprocal translocations : risk factors aneuploid segregant viability Clin Genet 1985 などの文献から相互転座188症例を選択し、本アプリケーションで解析しStengel-Rutkowskiらの評価法で確率を求め結果と照合・評価した.【結果】隣接1型分離様式と隣接2型分離様式が確認された群に1例ずつ不均衡型転座は産まれないと予想した症例が認められた.それ以外の症例ではアプリケーションによる解析で予想した分離様式には、確認された分離様式の不均衡型転座と一致した.隣接2型分離様式では、不均衡型転座が産まれる確率を数値として提示できたのは1症例のみで、他は不均衡型転座が産まれる可能性はあるが確率を数値として提示することができないという結果であった.アプリケーションによる解析では、例えば隣接1型分離様式と3:1分離様式が予想される症例が約30%認められ、隣接2型分離様式、3:1分離様式にも認められた.【考察】本アプリケーションによる予想する分離様式は、2症例を除き186症例で一致した.(98.9%)しかし、複数の分離様式を予想されている.これは不均衡型転座が産まれる確率を上昇させるが、これが許容されるか今後の検討が必要と思われる.