講演情報
[P14-1]子宮頸がん患者の遺伝子パネル検査で偶発的にSMAD4遺伝子変異が発見された症例
○西田 正和1,2, 甲斐 健太郎1,2, 青柳 陽子1, 井原 健二2, 塚谷 延枝2, 河野 康志1 (1.大分大学 医学部 産科婦人科, 2.大分大学 遺伝診療科)
44歳、2妊2産、家族歴、既往歴に特記すべき項目はない。非小細胞肺癌に対して手術(左肺下葉切除)が施行され、その後、2回の脳転移が出現し、ガンマナイフによる加療を行い、2回ともCRとなった。EGFR遺伝子変異が陽性であったため、維持療法でゲフィチニブを投与されていたが、経過中のCTスキャンで子宮頸がんを指摘されて当院産婦人科へ紹介された。腟鏡診上、子宮頸部に腫瘍を認め、組織診では子宮頚部腺癌(cIB2N0M0)の診断で、インフォームドコンセントの結果、放射線同時化学療法を行うととなり、治療後にCRとなった。
肺がんとの重複癌ということもあり、遺伝子パネル検査を強く希望され、FoundationOneを行った結果、SMAD4に病的変異を指摘されたものの、家族歴がなかったためC-CATレポートでは「開示すべき2次的所見なし」という結果であった。先述したとおり、大腸癌の家族歴がなく、遺伝性のものは否定的ではあったが、エキスパートパネルでは胃・大腸のカメラを行うことを推奨され、実際に検査を行ったところ、消化管に異常は指摘されなかった。今後も定期的に胃・大腸のカメラを受けることを勧めた。
SMAD4遺伝子の機能の喪失は、消化管の悪性腫瘍発現リスクの増加させ、遺伝性疾患である若年性ポリポーシス症候群にも関連するといわれている。さらに、SMAD4遺伝子変異は、乳がんのリスクが上昇するという報告も存在する。
基本的にMAD4遺伝子変異は、他のがん抑制遺伝子の変異と同様に常染色体優性の遺伝形式をとる。今回の症例では、家族歴がなかったためC-CATレポートで「開示すべき2次的所見」としての指摘は受けなかったものの、本人が重複癌でもあることも考慮し、今回に遺伝情報を提供したほうが良いという結論に至った。今回のように遺伝性のものか確定できなケースもあるため、患者ごとに病歴を考慮し、各々対応していく必要がある。
肺がんとの重複癌ということもあり、遺伝子パネル検査を強く希望され、FoundationOneを行った結果、SMAD4に病的変異を指摘されたものの、家族歴がなかったためC-CATレポートでは「開示すべき2次的所見なし」という結果であった。先述したとおり、大腸癌の家族歴がなく、遺伝性のものは否定的ではあったが、エキスパートパネルでは胃・大腸のカメラを行うことを推奨され、実際に検査を行ったところ、消化管に異常は指摘されなかった。今後も定期的に胃・大腸のカメラを受けることを勧めた。
SMAD4遺伝子の機能の喪失は、消化管の悪性腫瘍発現リスクの増加させ、遺伝性疾患である若年性ポリポーシス症候群にも関連するといわれている。さらに、SMAD4遺伝子変異は、乳がんのリスクが上昇するという報告も存在する。
基本的にMAD4遺伝子変異は、他のがん抑制遺伝子の変異と同様に常染色体優性の遺伝形式をとる。今回の症例では、家族歴がなかったためC-CATレポートで「開示すべき2次的所見」としての指摘は受けなかったものの、本人が重複癌でもあることも考慮し、今回に遺伝情報を提供したほうが良いという結論に至った。今回のように遺伝性のものか確定できなケースもあるため、患者ごとに病歴を考慮し、各々対応していく必要がある。