講演情報
[P16-1]出生前検査陽性妊婦とそのパートナーの医療と支援体制についての全国調査:医療従事者を対象にしたアンケート調査
○和泉 美希子1, 宮上 景子2, 池本 舞2, 清野 仁美3, 山田 崇弘4, 奥山 虎之5, 澤井 英明6, 左合 治彦7, 関沢 明彦2, 白土 なほ子2 (1.昭和大学病院 臨床遺伝医療センター, 2.昭和大学 医学部 産婦人科学講座, 3.兵庫医科大学 精神科神経科学講座, 4.京都大学医学部附属病院遺伝子診療部/倫理支援部, 5.埼玉医科大学 ゲノム医療科 希少疾患ゲノム医療推進講座, 6.兵庫医科大学 産科婦人科学講座, 7.国立成育医療研究センター 周産期・母性診療センター)
【目的・方法】日本では22週未満で胎児が染色体疾患や遺伝性疾患と診断された場合、妊娠が継続される症例も妊娠中絶が選択される症例もある。22週未満で受けた出生前検査で異常が指摘された妊婦とそのパートナーへの医療や支援体制について国内の現状を把握し、日本の周産期医療における適切な医療や支援体制の在り方を検討することを目的として、まず全国の医療機関を対象にアンケート調査を実施した。続けて、その調査で「出生前検査陽性症例の対応を行っている」と回答した医療機関に対して、実際に症例の対応を行っている医療従事者個人に対するアンケートへの協力を依頼した。なお、これらの調査は、成育疾患克服等次世代育成基盤研究事業「出生前検査に関する妊産婦等の意識調査や支援体制構築のための研究」の分担研究出生前検査陽性妊婦とパートナーへの支援体制構築」の一環として2021年10~12月に行われたものである。
【結果】本発表では、医療従事者個人向けのアンケート調査の結果を報告する。全国113施設204名の医療従事者から回答を得た。回答者の8割が産婦人科医師で、その半数は臨床遺伝専門医の資格を有していた。回答者の個人の経験として直近2年間で実際に対応した出生前検査陽性症例数は、10症例未満との回答が6割、10~20症例未満との回答が3割であった。出生前検査陽性症例の対応における担当業務と業務への意識・負担感、負担の要因についての回答から、出生前検査陽性症例の診療や支援に要する時間や回数の多さ、予定・予約外診療、妊娠週数の制限などの本質的な背景がありながらも症例ごとに個別化した医療・支援がなされている実態が示された。回答者の7割が負担感の要因として「自身の対応に自信がない」をあげており、医療従事者を支援する仕組みも重要と考えられた。今回の調査結果を元に適切な医療や支援体制の構築のための具体的な方策について提案する。
【結果】本発表では、医療従事者個人向けのアンケート調査の結果を報告する。全国113施設204名の医療従事者から回答を得た。回答者の8割が産婦人科医師で、その半数は臨床遺伝専門医の資格を有していた。回答者の個人の経験として直近2年間で実際に対応した出生前検査陽性症例数は、10症例未満との回答が6割、10~20症例未満との回答が3割であった。出生前検査陽性症例の対応における担当業務と業務への意識・負担感、負担の要因についての回答から、出生前検査陽性症例の診療や支援に要する時間や回数の多さ、予定・予約外診療、妊娠週数の制限などの本質的な背景がありながらも症例ごとに個別化した医療・支援がなされている実態が示された。回答者の7割が負担感の要因として「自身の対応に自信がない」をあげており、医療従事者を支援する仕組みも重要と考えられた。今回の調査結果を元に適切な医療や支援体制の構築のための具体的な方策について提案する。