講演情報
[P16-11]当院における出生前診断外来の傾向と役割~出生前検査指針改定を見据えて~
○勝元 さえこ1, 辻 俊一郎2, 茶野 徳宏1, 丸尾 良浩1 (1.滋賀医科大学医学部附属病院 臨床遺伝相談科, 2.滋賀医科大学医学部附属病院 母子女性診療科)
【はじめに】当院では2019年から出生前診断外来において、NIPTを含む出生前検査に関する遺伝カウンセリング(以下GC)を行なっている。本年より出生前検査に関する新指針の発出に伴う今後のGC内容の変容を検討するため、新指針の視点から現在までのGC来談者の傾向を解析した。
【方法】2019年1月から2021年12月までのGCを対象に、(1)総件数(2)紹介件数(3)分娩時35歳以上の件数(4)NIPT受検数(5)GC来談理由 を集計した。(2)から(4)は(1)に占める割合をそれぞれ算出し、(5)は35歳未満と35歳以上で比較した。
【結果】総件数は523件であり、そのうち88%(457件)が院外からの紹介である。分娩時35歳以上の妊婦が93%(487件)を占め、その内の74.3%(362件)がNIPTを受検した。分娩時35歳以上の来談理由には必ず高年妊娠に伴う染色体異常児出産への「不安」が含まれており、35歳未満では染色体異常児出産既往、超音波検査で異常所見を指摘されている、他の出生前検査で陽性結果が出たことが主な来談理由であった。
【考察】当院は現在県内唯一のNIPT認定施設であることから、GCは旧指針に基づく35歳以上の妊婦に偏ったと考えられる。35歳未満においては、既に発生した何らかの異常所見を来談理由としており、地域内の胎児精査を担当する大学病院としての側面を反映していると考えられた。よって、旧指針下における当院のGCはNIPT提供施設であり、かつ地域の周産期における遺伝学的ハイリスク妊婦の受け皿として機能していたと言える。新指針を鑑みるに、今後のGCでは遺伝学的ハイリスク妊婦ではないが「不安」のある35歳未満の来談者が増えると予測できる。今後もGC傾向の調査を継続し、短期間ではあるが本調査結果との比較結果を本学会で報告したい。
【方法】2019年1月から2021年12月までのGCを対象に、(1)総件数(2)紹介件数(3)分娩時35歳以上の件数(4)NIPT受検数(5)GC来談理由 を集計した。(2)から(4)は(1)に占める割合をそれぞれ算出し、(5)は35歳未満と35歳以上で比較した。
【結果】総件数は523件であり、そのうち88%(457件)が院外からの紹介である。分娩時35歳以上の妊婦が93%(487件)を占め、その内の74.3%(362件)がNIPTを受検した。分娩時35歳以上の来談理由には必ず高年妊娠に伴う染色体異常児出産への「不安」が含まれており、35歳未満では染色体異常児出産既往、超音波検査で異常所見を指摘されている、他の出生前検査で陽性結果が出たことが主な来談理由であった。
【考察】当院は現在県内唯一のNIPT認定施設であることから、GCは旧指針に基づく35歳以上の妊婦に偏ったと考えられる。35歳未満においては、既に発生した何らかの異常所見を来談理由としており、地域内の胎児精査を担当する大学病院としての側面を反映していると考えられた。よって、旧指針下における当院のGCはNIPT提供施設であり、かつ地域の周産期における遺伝学的ハイリスク妊婦の受け皿として機能していたと言える。新指針を鑑みるに、今後のGCでは遺伝学的ハイリスク妊婦ではないが「不安」のある35歳未満の来談者が増えると予測できる。今後もGC傾向の調査を継続し、短期間ではあるが本調査結果との比較結果を本学会で報告したい。