講演情報
[P17-2]当院における遺伝カウンセラーの役割~院内周知活動を通しての経験報告~
○高橋 里奈1, 池田 恵理2, 岩間 一浩1, 進藤 亮輔1, 宮城 悦子3, 田野島 美城1 (1.横浜市立大学附属市民総合医療センター 遺伝子診療科, 2.横浜市立大学附属市民総合医療センター がん包括センター, 3.横浜市立大学附属病院 産婦人科)
当院の遺伝子診療科は令和2年4月より新設された。新設より約2年経過した現在は臨床遺伝専門医3名・認定遺伝カウンセラー(CGC)1名が主体となって、その他関連スタッフと連携体制で遺伝カウンセリングを担当し、遺伝性疾患に関する相談に対応している。主な実施内容は各種遺伝性疾患の相談、遺伝学的検査、出生前検査、がんゲノム診療に伴う二次的所見に対する遺伝カウンセリングなどがある。当院では令和4年4月よりCGCが着任し、診療科のさらなる拡充を目指して院内周知や相談窓口開設に取り組み始めた。その具体的な取り組みについて報告する。当科は新設から徐々に院内スタッフなどにその存在も知られつつある。しかしながら患者やその家族の認知度は低く、まずはどのような診療をおこなっているか知っていただく必要があった。まず始めた取り組みとしては院内患者やその家族に対する説明文(パンフレット)の作成を実施した。次なる取り組みとしては遺伝の相談先を探している方や遺伝子診療科の受診を悩まれている方向けに“CGCによる相談窓口”を開設する予定である。院内のデジタルサイネージ掲示で広報し、問い合わせがあった場合はCGCが対応する。ここではCGCが対象者の話を聞き、必要があれば遺伝子診療科の受診に繋げていく予定である。近年、遺伝医療が急速に発展していく中、CGCの担う役割は非常に大きく今後もそのニーズが高まっていくことが予想される。CGCが院内で活動するには遺伝医療に携わるスタッフの理解は不可欠であると同時に患者やその家族に診療科について理解していただく必要がある。また、CGCの実際の活動を報告することで”遺伝カウンセラーの可能性“の新たな発見にも繋がる。今回の報告が本邦のCGCの活動の場をさらに広げるきっかけになること期待したい。