講演情報
[P18-5]神奈川遺伝カウンセリング研究会 活動報告 -地域における臨床遺伝専門家のための施設をこえた連携の取り組み―
○西川 智子1, 石川 浩史2, 平原 史樹3, 津川 浩一郎4,8, 浜之上 はるか5, 右田 王介8, 大貫 優子6, 高橋 千果6, 富永 牧子7,11, 花川 純子9, 望月 純子10, 本吉 愛4,8, 後藤 優美子6, 荒木 尚美10, 長瀬 寛美2, 平吹 知雄12, 和泉 美希子7, 別所 友子13, 黒澤 健司14 (1.神奈川県立こども医療センター, 2.神奈川県立こども医療センター 産婦人科, 3.横浜市病院事業管理者 横浜市病院経営本部, 4.聖マリアンナ医科大学 乳腺・内分泌外科, 5.横浜市立大学附属病院 遺伝子診療科, 6.東海大学医学部付属病院 遺伝子診療科, 7.昭和大学横浜市北部病院 臨床遺伝・ゲノム医療センター, 8.聖マリアンナ医科大学 遺伝診療部, 9.神奈川県立こども医療センター 内分泌代謝科, 10.北里大学病院 遺伝診療部, 11.昭和大学横浜市北部病院 こどもセンター, 12.小田原市立病院 産婦人科, 13.アレクシオンファーマ メディカルアフェアーズ本部, 14.神奈川県立こども医療センター 遺伝科)
神奈川遺伝カウンセリング研究会は、遺伝カウンセリングに関する最新知識の維持、スキル向上のため、継続的に学ぶ機会の提供を行うこと、神奈川県内を中心とした遺伝専門家や遺伝医療に関わる医療者が施設を超えて連携し、情報交換、切磋琢磨することを通じて、遺伝カウンセリングの更なる普及、充実に貢献することを目指すことを目的とし、2017年に発足した。世話人は、神奈川県内の大学病院、小児病院に所属する臨床遺伝専門医、認定遺伝カウンセラーを中心に構成している。設立当時より会の中立性を重視し、参加費のみで運営してきた。活動の軸は、「特別講演」「グループワーク」を基本構成とした年1回の「YOKOHAMA遺伝カンファレンス」開催である。特別講演は、がんゲノム、着床前遺伝学的検査から小児疾患など臨床遺伝のホットトピックを幅広く取りあげてきた。グループワークでは、遺伝カウンセリングで遭遇する解決困難な課題を実践的に議論し、参加者の交流と主体的な考察を得られるよう工夫している。参加者の連携が深まり、課題解決の具体的な方策が生み出されることも多い。参加者には、臨床遺伝専門医や認定遺伝カウンセラーの更新単位が認定されている。参加者数は発足当初の50名前後から、ここ数年では約100名と増加し、最新回の参加者内訳は、医師48%、認定遺伝カウンセラー31%、その他21%であった。 本発表では、過去6回のプログラム、内容、参加者の情報や開催後アンケートの分析を示す。コロナ禍でのオンライン実施も経験し、地域を超えた参加が可能となった。グループワーク等により顔の見える遺伝診療ネットワークを深める良い機会となっている。本発表を通じて、地域における遺伝診療専門家間の連携、また臨床遺伝/遺伝カウンセリング体制を通してゲノム医療推進にむけた地域医療体制を提言、構築するなど今後、本研究会が担っていくべき役割の可能性についても論じたい。