講演情報
[P32-2]初学者が戸惑う臨床遺伝学の基礎知識7選
○熊谷 広治, 坂井 昌弘 (大阪鉄道病院 婦人科)
【目的】遺伝情報が一般診療でも活用されるようになり、臨床遺伝専門医育成の機運が高まっている。しかし臨床遺伝学を目指す初学者にとって履修範囲は膨大で基礎知識の習得さえ容易ではない。今回、初学者が戸惑いそうな基礎知識を抽出し、学習負担が減る方法を探索した。
【方法】まず医学部学生向けの(1)医学教育モデル・コア・カリキュラム(2016年)と(2)コアカリ準拠臨床遺伝学テキストノート(日本人類遺伝学会2018年)を熟読し、卒前教育の達成目標を把握した。次いで臨床遺伝学を志す研修医向けの(3)臨床遺伝専門医行動目標(2019年)と(4)臨床遺伝専門医テキスト総論・各論(臨床遺伝専門医制度委員会2021年)を概観し、卒後教育の到達目標を調査した。さらに初学者が理解に苦労する臨床遺伝学の基礎知識7選を卒後教育の範囲から抽出し、その対策を検討した。
【成績】卒前教育(1)(2)の学修目標を忠実に研鑽すれば、臨床遺伝専門医に求められる行動目標(3)の約半数を網羅することが分かった。初学者が理解に苦労する臨床遺伝学(4)の基礎知識7選は、PCR法(2n-2nの意味)、減数分裂、四価染色体、ゲノムインプリンティング、マイクロアレイ染色体検査、マイクロサテライト不安定検査、遺伝的リスク計算で、分子生物学・細胞遺伝学に属する分野が多かった。また7選は共通して、学習者が経時的なイメージ画像を脳内に構築して初めて納得する分野であった。
【結論】初学者が戸惑う臨床遺伝学の基礎知識7選は、経時的なイメージ画像の脳内構築で初めて理解が進む。習熟者によるゼロからの経時的な板書解説が初学者のイメージ構築に有意義である。また無料配信動画を利用した独学もその選択肢になり得る。
【方法】まず医学部学生向けの(1)医学教育モデル・コア・カリキュラム(2016年)と(2)コアカリ準拠臨床遺伝学テキストノート(日本人類遺伝学会2018年)を熟読し、卒前教育の達成目標を把握した。次いで臨床遺伝学を志す研修医向けの(3)臨床遺伝専門医行動目標(2019年)と(4)臨床遺伝専門医テキスト総論・各論(臨床遺伝専門医制度委員会2021年)を概観し、卒後教育の到達目標を調査した。さらに初学者が理解に苦労する臨床遺伝学の基礎知識7選を卒後教育の範囲から抽出し、その対策を検討した。
【成績】卒前教育(1)(2)の学修目標を忠実に研鑽すれば、臨床遺伝専門医に求められる行動目標(3)の約半数を網羅することが分かった。初学者が理解に苦労する臨床遺伝学(4)の基礎知識7選は、PCR法(2n-2nの意味)、減数分裂、四価染色体、ゲノムインプリンティング、マイクロアレイ染色体検査、マイクロサテライト不安定検査、遺伝的リスク計算で、分子生物学・細胞遺伝学に属する分野が多かった。また7選は共通して、学習者が経時的なイメージ画像を脳内に構築して初めて納得する分野であった。
【結論】初学者が戸惑う臨床遺伝学の基礎知識7選は、経時的なイメージ画像の脳内構築で初めて理解が進む。習熟者によるゼロからの経時的な板書解説が初学者のイメージ構築に有意義である。また無料配信動画を利用した独学もその選択肢になり得る。