講演情報
[P32-4]遺伝カウンセラーを含む医療者の燃え尽き症候群に対するセルフケアの文献的考察
○高林 直輝1, 渡辺 基子2, 吉武 尚美3, 井坂 美帆2, 阿部 歩美2, 北村 裕梨2, 後藤 景子2, 新井 正美2 (1.順天堂大学大学院医科学コース臨床遺伝学(遺伝カウンセリング)学位プログラム, 2.順天堂大学大学院医学研究科 臨床遺伝学, 3.順天堂大学国際教養学部)
【背景】クライエントと対峙する認定遺伝カウンセラーは、燃え尽き症候群の経験が多いという報告がある。しかしながら燃え尽き症候群に対するセルフケアの在り方に関する報告は少ない。セルフケアの考察は、認定遺伝カウンセラーの燃え尽き症候群に有用である可能性がある。【目的】認定遺伝カウンセラーを含む医療者の燃え尽き症候群に対するセルフケアの手法や有用性に関する文献を評価することを目的とした。【方法】PubMed,CiNii,Web of Science,医中誌Webを用い、検索キーワードは“Self care”AND“Medical staff”OR“Genetic counselor”AND“Burnout”を用いた。セルフケアの内容が含まれていない文献は除外した。抽出した論文におけるセルフケアの手法やその有効性について評価した。【結果】最終的に合計11報の英論文を選択された。セルフケアの手法として「同僚への報告、同僚へのサポート要求」に関する有効性が8件報告された。これらの手法と「スーパービジョン」などの外的な手法以外に「内省」などの内的な手法も報告された。その他にセルフケアに関連する個人特性の影響を示唆した報告も確認された。抽出された全ての論文が回顧的な調査に基づいていた。【考察】セルフケアとして、燃え尽き症候群などの精神的苦痛を軽減する有効手段であることが示された。今後の認定遺伝カウンセラーにおける具体的な連携を強化する取り組みなど重要性が検討された。また、個人特性や労働環境に合う内的なセルフケア手法の具体的な方法についても検討する必要がある。