講演情報
[S17-2]疾患iPS細胞を用いた染色体異常症の病態解析
○齋藤 潤 (京都大学 iPS細胞研究所)
ヒト染色体異常症は、単一遺伝子疾患と比較して動物モデルの構築が難しく、iPS細胞を含めた患者由来試料を用いた解析の有用性が高い。我々は、ダウン症の造血異常や神経症状を対象に病態モデル構築とその解析を進めている。
ダウン症者では若年性アルツハイマー病の発症リスクが高いことが知られているが、トリソミー21のiPS細胞から分化させた神経細胞は、より多くのアミロイドβを分泌し、この過剰分泌は抗酸化物質であるN-アセチルシステインで抑制されることを明らかにした(Toshikawa, Sci Rep 2021)。また、ダウン症の新生児でしばしばみられる一過性骨髄異常増殖症(TAM)の病態モデルを構築し、TAMがGATA1変異を有する特定の赤血球-赤芽球系亜集団に起因することを明らかにした(Nishinaka-Arai, Haematologica 2021)。
本発表では、染色体異常症における我々のこれまでの成果を報告し、iPS細胞を用いたヒト染色体異常症の解析の意義について議論したい。
ダウン症者では若年性アルツハイマー病の発症リスクが高いことが知られているが、トリソミー21のiPS細胞から分化させた神経細胞は、より多くのアミロイドβを分泌し、この過剰分泌は抗酸化物質であるN-アセチルシステインで抑制されることを明らかにした(Toshikawa, Sci Rep 2021)。また、ダウン症の新生児でしばしばみられる一過性骨髄異常増殖症(TAM)の病態モデルを構築し、TAMがGATA1変異を有する特定の赤血球-赤芽球系亜集団に起因することを明らかにした(Nishinaka-Arai, Haematologica 2021)。
本発表では、染色体異常症における我々のこれまでの成果を報告し、iPS細胞を用いたヒト染色体異常症の解析の意義について議論したい。