講演情報
[S2-1]非侵襲的出生前検査(NIPT)における胎児トリソミー21,18,13の偽陽性および偽陰性の後方視的検討
○鈴森 伸宏 (名古屋市立大学 大学院医学研究科 産科婦人科)
国内のNIPT多施設共同研究、NIPTコンソーシアムの集計では、2013年4月から2022年3月までのデータで、単胎で「陰性」約97.5%、「陽性」約2%で、「判定保留」0.5%以下であり、羊水などによる確定検査を実施し、陽性的中率は3つのトリソミー全体で約90%であることが示されている。
NIPT実施後の偽陽性および偽陰性の評価として、2013年4月から2018年3月のNIPTコンソーシアムのデータを後方視的に分析した。次世代シーケンサーを用いて得られたデータについて、母体背景、胎児cell-free DNA割合、Zスコア、侵襲的処置の結果、出生後の新生児転帰について検討した。
本研究に参加した56,545人の妊婦のうち、54例の偽陽性(0.095%)、3例の偽陰性(0.006%)が認められた。54例の偽陽性例のうち7例(13.0%)は、超音波検査でvanishing twinと診断されていた。偽陽性のトリソミー18のうち、3例(16.7%)で限局性胎盤モザイク(CPM)が確認され、偽陰性のトリソミー21のうち、1例でCPMが確認された。
本データでは、偽陽性または偽陰性の発生率は比較的低く、そのような結果を示した原因はしばしば説明可能であり、vanishing twinおよびCPMが偽陽性・偽陰性の潜在的原因であることを示唆している。NIPTの実施前に、偽陽性や偽陰性に関する情報提供、遺伝カウンセリングを行うことが重要である。本シンポジウムでは、NIPTにおける偽陽性や偽陰性の詳細について示し、さらに判定保留の原因(cell-free低値、ゲノムワイド変化、ボーダーラインZスコアなど)、結果解釈、対応などについて提示する。
NIPT実施後の偽陽性および偽陰性の評価として、2013年4月から2018年3月のNIPTコンソーシアムのデータを後方視的に分析した。次世代シーケンサーを用いて得られたデータについて、母体背景、胎児cell-free DNA割合、Zスコア、侵襲的処置の結果、出生後の新生児転帰について検討した。
本研究に参加した56,545人の妊婦のうち、54例の偽陽性(0.095%)、3例の偽陰性(0.006%)が認められた。54例の偽陽性例のうち7例(13.0%)は、超音波検査でvanishing twinと診断されていた。偽陽性のトリソミー18のうち、3例(16.7%)で限局性胎盤モザイク(CPM)が確認され、偽陰性のトリソミー21のうち、1例でCPMが確認された。
本データでは、偽陽性または偽陰性の発生率は比較的低く、そのような結果を示した原因はしばしば説明可能であり、vanishing twinおよびCPMが偽陽性・偽陰性の潜在的原因であることを示唆している。NIPTの実施前に、偽陽性や偽陰性に関する情報提供、遺伝カウンセリングを行うことが重要である。本シンポジウムでは、NIPTにおける偽陽性や偽陰性の詳細について示し、さらに判定保留の原因(cell-free低値、ゲノムワイド変化、ボーダーラインZスコアなど)、結果解釈、対応などについて提示する。