講演情報
[S21-3]小児科医から遺伝学研究者になるまで
○三宅 紀子 (国立国際医療研究センター 研究所 疾患ゲノム研究部)
私は長崎大学医学部を卒業後、長崎大学小児科に入局し3年間の臨床経験を経て、長崎大学大学院医歯薬総合研究科へ進学した。大学院では、新川詔夫先生、松本直通先生の指導の下、遺伝学、ゲノム解析の基礎を学んだ。その後、念願だった米国への留学の機会に恵まれ、ポスドクとしてDr. Elizabeth Engleのもとで機能解析を行う機会を得て、ゲノムの解析以外の知識や手技を学ぶことができた。帰国に際しては、大学院で直接の指導者であった松本直通先生の研究室にポジションを得ることができ、様々な症例の解析を担当する機会をいただいた。また、帰国した当時は次世代シークエンサーが登場したばかりで、その技術が確立していない時期であった。慣れないコマンドラインや大量のデータに悪戦苦闘しながら、解析系を確立できたことは貴重な経験であった。幸い、昨年自分の研究部を持つことができ、PIとしてスタートラインに立つことができた。これは今までに出会った沢山の人たちとの出会いと様々な経験があったからだと思う。今回、自分の経験をお話することで、若手の方々の何かの役に立つのであれば嬉しく思う。