講演情報
[S7-3]不育症overviewおよび不育症関連遺伝子
○吉原 紘行, 後藤 志信, 北折 珠央, 杉浦 真弓 (名古屋市立大学 大学院医学研究科 産科婦人科)
不育症とは「妊娠は成立するが、流産・死産を繰り返して児を得られない状態」と定義され、妊娠を望むカップルの5%が不育症に罹患している。4大原因は抗リン脂質抗体症候群、子宮奇形、夫婦染色体構造異常、胎児染色体異数性であり、胎児染色体正常の真の原因不明は25%に留まる。絨毛染色体検査が実施されることが少ないため原因不明には異数性流産、正数性流産が区別されていない研究が多い。
我々は、抗リン脂質抗体症候群のゲノムワイド関連解析を行い、TSHRやC1Dとの関連を明らかにした。
原因不明習慣流産は薬剤投与をしなくても既往流産が2回で80%、3回で70%、4回で60%、5回で50%が次回妊娠で出産可能である。
原因不明不育症については500以上の遺伝子多型との関係が報告されている。我々は、ANXA5, FVR2, PD1の関与、PS徳島、FXII、MTHFR、ENOS、PDL1が関与しないことを明らかにした。つまり、不育症は多因子遺伝によって起こることがわかってきた。ただし、variantの有無によって次回妊娠に影響しないことも明らかにした。
胎児染色体異数性不育症についてはSYCP3、STAG3、PLK4など減数分裂特異的遺伝子を調べたが、関与していなかった。現在ゲノムワイド関連解析を実施している。また、胎児染色体正常であっても全エクソームシークエンスを調べた研究によって、CHRNA1、DYNC2H1、RYR1などの遺伝子に原因と思われる変異が報告されている。
本シンポジウムでは、我々が実施してきた不育症遺伝子解析についてお話しさせていただく。
我々は、抗リン脂質抗体症候群のゲノムワイド関連解析を行い、TSHRやC1Dとの関連を明らかにした。
原因不明習慣流産は薬剤投与をしなくても既往流産が2回で80%、3回で70%、4回で60%、5回で50%が次回妊娠で出産可能である。
原因不明不育症については500以上の遺伝子多型との関係が報告されている。我々は、ANXA5, FVR2, PD1の関与、PS徳島、FXII、MTHFR、ENOS、PDL1が関与しないことを明らかにした。つまり、不育症は多因子遺伝によって起こることがわかってきた。ただし、variantの有無によって次回妊娠に影響しないことも明らかにした。
胎児染色体異数性不育症についてはSYCP3、STAG3、PLK4など減数分裂特異的遺伝子を調べたが、関与していなかった。現在ゲノムワイド関連解析を実施している。また、胎児染色体正常であっても全エクソームシークエンスを調べた研究によって、CHRNA1、DYNC2H1、RYR1などの遺伝子に原因と思われる変異が報告されている。
本シンポジウムでは、我々が実施してきた不育症遺伝子解析についてお話しさせていただく。