講演情報

[S8-4]患者の同意内容の国際標準化とデジタル化

荻島 創一1, 小崎 健次郎2 (1.東北大学 高等研究機構 未来型医療創成センター/東北メディカル・メガバンク機構 ゲノム医科学情報学分野, 2.慶應義塾大学 医学部 臨床遺伝学センター)
患者の同意内容の標準化とデジタル化はデータ共有の促進では重要である。GA4GH (Global Alliance for Genomics & Health) は、90ケ国の600超の機関が参加するゲノム医療の促進を目指す国際的なハーモナイゼーションの場である。欧州15カ国、北米2カ国の500の主要な機関が参画し、日本からも17の主要な機関が参画しており、ゲノム医療の研究開発におけるデータ共有の事実上の標準の開発が進展している。GA4GHではデータの同意に基づく利用条件についての国際的な標準としてData Use Ontology (DUO)を開発した。DUOにより、同意に基づくデータ利用条件を標準化することができ、データの利用条件をDUOでコード化することで明確にすることができる。データアクセスの審査において、コード化された利用条件と利用内容をマッチングすることで、アルゴリズムによりスムーズな審査が可能になることが期待されている。さらに、患者から同意を取得する時点で、DUOコードによるデジタル同意を取得することで、患者、データ管理者、研究者それぞれにとって、データの利用条件の明確化が可能になり、データ共有が促進されると考えられる。本発表では、GA4GHのデータ共有の標準化活動と同意に基づくデータ利用条件の標準であるDUOを紹介し、患者の同意内容の標準化と同意取得のデジタル化について展望する。