Presentation Information
[OR-P-1]Observation points during a geological excursion tour for the Uto Peninsula and Amakusa Islands, Kumamoto Prefecture
*Yasutaka HAYASAKA1, Hiroaki UGAI1, Koji HIROSE1, Hiromi KUROSU1 (1. Amakusa Museum of Goshoura Dinosaur Island)
Keywords:
Uto Peninsular,Amakusa Islands,Amakusa Museum of Goshoura Dinosaur Museum,Cretaceous,Paleogene
本年3月20日に旧天草市立御所浦白亜紀資料館をリニューアルしてオープンした「御所浦恐竜の島博物館」は,天草の2市1町(天草市,上天草市,苓北町)が共同して立ち上げた「天草自然資源活用推進連絡会」が取り組む「海に浮かぶ博物館 あまくさ:http://uminiukabu.amakusa-web.jp/MyHp/Pub/Free.aspx?CNo=7」の実施拠点として活動している。本発表では,宇土半島を経由して天草を巡る地質巡検を想定して,主な観察ポイントを概説する。(1)〜(4)は末尾に示した文献に対応している。
宇土市
① 住吉海岸:干潮時には広大な有明海の泥干潟が広がり,延長1kmの長部田海床路が築かれている。
② 御輿来海岸:有明海の砂干潟に三日月型斑紋が広がる(日本の渚100選・日本の夕陽100選)
③ 平岩の海岸:上部白亜系姫浦層群と古第三系赤崎層(始新統)の傾斜不整合(1)
上天草市
④ 湯島:湯島層の化石(およそ110万年前)とかんらん石玄武岩(およそ82万年前:カラブリアン)(4)
⑤ 高杢島:普通角閃石安山岩からなり,天草富士とも呼ばれる
⑥ 千巖山:弥勒層群白岳層(古第三系始新統)の貝化石密集層(3)
⑦ 姫戸町二間戸(ふたまど):肥後帯の泥質片麻岩,結晶質石灰岩
⑧ 姫戸町樋島(ひのしま):肥後帯の前期白亜紀先姫浦花崗閃緑岩,蛇紋岩
天草市
⑨ 赤崎四郎ヶ浜:「真黒(まぐろ)石」と呼ばれる均質塊状の黒色泥質ホルンフェルス礫の浜。
⑩ 下浦(しもうら):古第三系始新統の本渡層群砥石層(一部教良木層)の砂岩が「下浦石」として採石・石工され,石工の里として知られる。
⑪ 御所浦:天草市立御所浦恐竜の島博物館,下部白亜系御所浦層群の「白亜紀の壁」,上部白亜系姫浦層群と肥後帯前島花崗閃緑岩(109 Ma)(2)との断層関係,アンモナイト館(直径60 cmのアンモナイト化石を自然の産状で保存),「スフェノセラムスの壁」など盛りだくさん。
⑫ 御領(ごりょう):弱溶結した阿蘇4火砕流堆積物が「御領石」として採石・加工されている。
⑬ 天草町大江ー高浜海岸:低温高圧型の長崎変成岩(高浜変成岩)が分布。アクセスが良いのは,高浜の白鶴浜海水浴場北側海岸と,大江の西平椿公園から降りた海岸。
⑭ 茂串海岸:古第三系坂瀬川層の砂岩・泥岩互層からなる平坦で広い海食台(3)。
苓北町
⑮ 西川内海岸:坂瀬川層中のノジュール。女性の乳房に似ていることから「おっぱい岩」と呼ばれる。
⑯ 富岡半島:砂州で繋がった陸繋島に砂嘴(さし)を富岡城跡から眺めることができる。
⑰ 天草西海岸サンセットライン:熱水変質した中新世(4)の流紋岩質岩脈を「天草陶石」として採掘・出荷している。
文献
(1) 井上(1961)地質調査書月報,13 (12),61-78
(2) 永田・大藤(2022)地質学雑誌,127, 237-243
(3) 大塚(2011)御所浦白亜紀資料館報,No.12,1-44
(4) 鵜飼・香取(2016)御所浦白亜紀資料館報,No.17,1-14
宇土市
① 住吉海岸:干潮時には広大な有明海の泥干潟が広がり,延長1kmの長部田海床路が築かれている。
② 御輿来海岸:有明海の砂干潟に三日月型斑紋が広がる(日本の渚100選・日本の夕陽100選)
③ 平岩の海岸:上部白亜系姫浦層群と古第三系赤崎層(始新統)の傾斜不整合(1)
上天草市
④ 湯島:湯島層の化石(およそ110万年前)とかんらん石玄武岩(およそ82万年前:カラブリアン)(4)
⑤ 高杢島:普通角閃石安山岩からなり,天草富士とも呼ばれる
⑥ 千巖山:弥勒層群白岳層(古第三系始新統)の貝化石密集層(3)
⑦ 姫戸町二間戸(ふたまど):肥後帯の泥質片麻岩,結晶質石灰岩
⑧ 姫戸町樋島(ひのしま):肥後帯の前期白亜紀先姫浦花崗閃緑岩,蛇紋岩
天草市
⑨ 赤崎四郎ヶ浜:「真黒(まぐろ)石」と呼ばれる均質塊状の黒色泥質ホルンフェルス礫の浜。
⑩ 下浦(しもうら):古第三系始新統の本渡層群砥石層(一部教良木層)の砂岩が「下浦石」として採石・石工され,石工の里として知られる。
⑪ 御所浦:天草市立御所浦恐竜の島博物館,下部白亜系御所浦層群の「白亜紀の壁」,上部白亜系姫浦層群と肥後帯前島花崗閃緑岩(109 Ma)(2)との断層関係,アンモナイト館(直径60 cmのアンモナイト化石を自然の産状で保存),「スフェノセラムスの壁」など盛りだくさん。
⑫ 御領(ごりょう):弱溶結した阿蘇4火砕流堆積物が「御領石」として採石・加工されている。
⑬ 天草町大江ー高浜海岸:低温高圧型の長崎変成岩(高浜変成岩)が分布。アクセスが良いのは,高浜の白鶴浜海水浴場北側海岸と,大江の西平椿公園から降りた海岸。
⑭ 茂串海岸:古第三系坂瀬川層の砂岩・泥岩互層からなる平坦で広い海食台(3)。
苓北町
⑮ 西川内海岸:坂瀬川層中のノジュール。女性の乳房に似ていることから「おっぱい岩」と呼ばれる。
⑯ 富岡半島:砂州で繋がった陸繋島に砂嘴(さし)を富岡城跡から眺めることができる。
⑰ 天草西海岸サンセットライン:熱水変質した中新世(4)の流紋岩質岩脈を「天草陶石」として採掘・出荷している。
文献
(1) 井上(1961)地質調査書月報,13 (12),61-78
(2) 永田・大藤(2022)地質学雑誌,127, 237-243
(3) 大塚(2011)御所浦白亜紀資料館報,No.12,1-44
(4) 鵜飼・香取(2016)御所浦白亜紀資料館報,No.17,1-14
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