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[T13-O-9]Calcareous nannofossil biostratigraphy and source rock potential of the Miocene siliceous mudstone in Odate city Akita, Japan

Sanshiro MATSUURA1,2, Kaisei OOYANAGI1,2, Takuto ANDO1, *Shun CHIYONOBU1 (1. Faculty of International Resource Sciences, Akita University, 2. Dia Nippon Engineering Consultants Co., Ltd.)
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Keywords:

Calcareous nannofossil,Siliceous hard mudstone,Source rock,Onnagawa Formation,Kerogen type

秋田県の沿岸部には珪質泥岩からなる女川層が広く分布し,秋田県下に存在する油田群の石油根源岩として多様な研究がなされてきた。女川層珪質泥岩のもつ石油根源岩能力は,海生珪藻を起源にもつタイプIIケロジェンを主とし,全有機炭素量(TOC)を1〜4%程度含むことが知られている。また,県下内陸部にも同層準の珪質泥岩は広く分布しており同様の見解がなされている。ところで,黒鉱鉱床が拡がる秋田県北部の北鹿地域にも珪質泥岩が分布することは古くから知られているが,それら珪質泥岩の層位学的検討や有機地球化学的検討は,金属鉱床地域であったことからも多くはない。そこで,本研究では秋田県大館市比内地域に分布する珪質泥岩を主体とする一通層から産出する石灰質ナンノ化石を用いて層位学的関係を明らかにし,ロックエバル分析法による同層準の石油根源岩能力を評価する目的で検討を行った。一通層の岩相は,下部で暗灰色から淡灰色で塊状もしくは一部層理の発達する珪質硬質泥岩を主として,凝灰質礫岩および砂岩を挟在する。上部では暗灰色塊状な軟質泥岩からシルト岩,さらに最上部では砂岩へと上方粗粒化を示す。また上部のシルト岩および砂岩から,保存状態は悪いものの,石灰質ナンノ化石Catinaster calyculusReticulofenestra属,Sphenolithus属が産出した。ロックエバル分析から,本層の珪質泥岩中の全有機炭素量(TOC)は平均で1.64wt%,最大で2.59wt%を示す。とくに暗灰色の岩色を呈する岩相において平均で1.99wt%と高い値を示した。また,Hydrogen Indexは498〜683(mg/g)を示し,ケロジェンタイプはタイプ Iを主体とする。以上の結果から,一通層最上部に堆積した砂岩相は石灰質ナンノ化石基準面NN8〜9に相当し,一通層の堆積年代の上限が約10Maであることが明らかとなった。従来から一通層は,珪質泥岩を主体とする岩相から女川層相当層とされており,本結果により北鹿地域に分布する女川層相当層の堆積年代上限が規定された。一方で,ロックエバル分析では本層下部の珪質泥岩に含まれるケロジェンが湖沼性生物を起源であることを示し,一般的な女川層のケロジェンタイプとは異なる結果を得た。石灰質ナンノ化石が産出することとケロジェンタイプが湖沼性を示すことは矛盾する結果ではあるものの,これらの結果は当時の海水準変化や堆積盆地の形状など様々な要因を示している可能性が指摘でき,北鹿地域の女川層相当層の広域的な検討が今後の課題としてあげられる。

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