Presentation Information
[T10-P-5]Synthesis and grain growth of albite polycrystals
*Yukiko Kita1, Jun Muto1, Norio Shigematsu2, Sando Sawa1, You Zhou3 (1. Department of Earth Science, Graduate school of Science, Tohoku University, 2. Research Institute Earthquake and Volcano Geology Geological Survey of Japan, AIST, 3. Multi Material Research Institute, National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, AIST)
Keywords:
Rheology,plagioclase,grain growth,sintering
斜長石は地殻の主要鉱物であり,主に下部地殻や沈み込み帯に多く存在している.斜長石が主に存在する下部地殻の高温高圧下では,岩石は塑性的に変形している.岩石の塑性変形機構のうち拡散クリープなどの粒径依存クリープにおいて,粒径は強度を支配する重要なパラメータであり,粒成長は粒径を支配する大きな要因である.しかし,斜長石の粒成長則は Ca端成分である灰長石について1090℃を超える温度領域においてのみ決められており,他の組成については研究されていない[1].
岩石の粒成長則を調べるためには,組成と粒径を制御した多結晶体の合成が必要である.緻密な細粒曹長石は,ホットプレスと鋳込み法を組み合わせることで合成できる [2].ホットプレスはメルトを形成せずに緻密で均質な多結晶体を作ることができるというメリットがある [3][4] .鋳込み法は,材料科学の分野でセラミックスの製造に古くから用いられている粉末形成手法である[5].鋳込み法によって生成される粉末形成体の焼結時の活性化エネルギーは,他の手法と比較して低い[6].活性化エネルギーが低いことで,物質移動が促進され,緻密な構造の生成が可能になる.本研究では,鋳込み法とホットプレスを用いて,緻密で均質な曹長石多結晶体を合成した[3].その後,合成した多結晶体を用いて曹長石の粒成長実験を行いそのメカニズムを調べた.
緻密で微細な曹長石を合成後[3],その多結晶を用いて粒成長過程を調べた.焼結は 1080 ℃・100 MPa で,粒成長実験は1000~1060 ℃・大気圧で行った.合成した出発試料は非常に緻密であり,曹長石とほぼ同じ密度を達成した.しかし,ホットプレスの一軸圧縮による結晶内ひずみが観察された.本発表では,曹長石の粒成長メカニズムと微細構造について報告する.
[1] Dresen et al., Tectonophysics, 1996 [2] Shigematsu et al., PEPS, 2022, [3] Stünitz and Tullis. Int J Earth Sci, 2001, [4] Karato and Jung, Philos. Mag., 2003, [5] Tallon et al., J. Eur. Ceram. Soc., 2010, [6] Zhang et al., Int. J. Appl. Ceram. Technol., 2020
岩石の粒成長則を調べるためには,組成と粒径を制御した多結晶体の合成が必要である.緻密な細粒曹長石は,ホットプレスと鋳込み法を組み合わせることで合成できる [2].ホットプレスはメルトを形成せずに緻密で均質な多結晶体を作ることができるというメリットがある [3][4] .鋳込み法は,材料科学の分野でセラミックスの製造に古くから用いられている粉末形成手法である[5].鋳込み法によって生成される粉末形成体の焼結時の活性化エネルギーは,他の手法と比較して低い[6].活性化エネルギーが低いことで,物質移動が促進され,緻密な構造の生成が可能になる.本研究では,鋳込み法とホットプレスを用いて,緻密で均質な曹長石多結晶体を合成した[3].その後,合成した多結晶体を用いて曹長石の粒成長実験を行いそのメカニズムを調べた.
緻密で微細な曹長石を合成後[3],その多結晶を用いて粒成長過程を調べた.焼結は 1080 ℃・100 MPa で,粒成長実験は1000~1060 ℃・大気圧で行った.合成した出発試料は非常に緻密であり,曹長石とほぼ同じ密度を達成した.しかし,ホットプレスの一軸圧縮による結晶内ひずみが観察された.本発表では,曹長石の粒成長メカニズムと微細構造について報告する.
[1] Dresen et al., Tectonophysics, 1996 [2] Shigematsu et al., PEPS, 2022, [3] Stünitz and Tullis. Int J Earth Sci, 2001, [4] Karato and Jung, Philos. Mag., 2003, [5] Tallon et al., J. Eur. Ceram. Soc., 2010, [6] Zhang et al., Int. J. Appl. Ceram. Technol., 2020
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