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[T15-P-9]Geology of the Jurassic sedimentary complex of the Tamba Belt distributed in Urban Area of Himeji City,Hyogo Prefecture,SW Japan

*Motoki MOURI1 (1. Nippon Lighthouse Welfare Center for the Blind)
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Keywords:

Geology,Himeji City,Jurassic sedimentary complex,Tamba Belt,SW Japan

はじめに 姫路地域の丘陵にはジュラ系の丹波帯相当層が分布し,地質学的実態が明らかにされた(例えば,中田・後藤,1961;後藤,1986;田中ほか,1990;尾崎ほか,1995;西影,1996;後藤ほか,1998;山元ほか,2000;後藤ほか,2001など).近年は兵庫県南西部の南山層を含む丹波帯の泥岩のイライト結晶度が報告された(竹村ほか,2010).北播磨地域(市川町,加西市,多可町)では丹波帯構成層の岩相層序と放散虫年代に関する系統的研究がおこなわれ,放散虫化石群集とそれらの年代を報告した(竹村・竹村,2020,2022).本稿では姫路市街地付近の地質調査結果の報告をおこなう.花田町高木:丹波帯の砕屑岩層がN80°E70°SWすなわち70-80°南西の急傾斜を示す.景福寺山:標高26m地点では厚さ11〜12㎝(厚さ<14㎝)の層理面が明瞭な砂岩頁岩互層がみられる.砂岩層は灰白〜灰色を呈する淘汰良好な極細粒砂〜細粒砂岩である.頁岩層の層理面の走向・傾斜はN30°E70〜80°SWである.男山:標高35m地点では厚さ3〜16㎝(厚さ<20㎝)の層理面が明瞭な砕屑岩層がみられる.層理面の走向・傾斜はN70°E55°NEである.砂岩層は黄白〜明灰色を呈する淘汰のきわめてよい極細粒砂〜細粒砂岩である.姫山:姫路城壁東では厚さ4~37㎝の茶褐~黄白色砂岩層と厚さ5~10㎝の灰黒色泥岩層からなる砂岩優勢の砂岩泥岩互層がみられる.砂岩泥岩互層の層理面の走向・傾斜はN20~30°W30~50°SWである.手柄山:手柄山中央公園,立建設株式会社の南側標高25m地点では厚さ4〜23㎝(厚さ<27㎝)単位で成層する層状チャートブロックがみられ,層理面の走向・傾斜はN50°E80〜82°NWである.手柄山第1立体駐車場付近の標高15m地点では厚さ5〜34㎝(厚さ<52㎝)単位で成層する砕屑岩層がみられる(写真).層理面の走向・傾斜はN37〜55°W75〜80°SEである.灰黒色を呈するシルト粒径の珪質泥岩層と明灰色を呈する淘汰良好な極細粒砂〜細粒砂の粒度の砂岩層からなる.姫路市立手柄小学校南西の標高18m地点では厚さ5〜18㎝(厚さ<20㎝)の頁岩層の露頭がみられ,層理面の走向・傾斜はN78°W40°NEである.回転展望台登り口付近の標高36m地点でみられる砂岩層の層理面の走向・傾斜はN9〜23°E70〜85°SWである.まとめ 丹波帯南山層の構造は中央平野部の景福寺山・男山・姫山・手柄山で北東-南西走向で概略25-85°北東あるいは南西傾斜をなし,的形町福泊~妻鹿の海岸線に小分布する岩体は70-80°北あるいは西傾斜を示す.花田町高木では70-80°南あるいは南西傾斜を示す.景福寺山・男山・姫山・手柄山に分布する丹波帯堆積岩類は野外の露頭次元で砂岩頁岩互層などの砕屑岩層を主体とし,木場〜的形町にかけての小赤壁海岸ではレンズ状の岩塊をともなう混在岩を主体とする.海洋プレート層序の連続性が完全に欠如し緑色岩や石灰岩,チャートなど異地性岩塊を含むことから地層の破断の程度による分類(日本地質学会地質基準委員会,2003の図3.3 混在岩の分類法と用語)で混在岩ユニットに相当する.本地域の丹波帯の構成岩相は南山層の模式地と比べて砂岩および砂岩頁岩互層が多い(後藤ほか,1998).文献 中田正次・後藤博弥(1961)地質学雑誌,67,360-361.後藤博弥(1986)地質学雑誌,92,663-674.後藤博弥・井上剛一・田中眞吾・成瀬敏郎(1998)姫路市史第7巻上自然資料編,姫路市史編集専門委員会,39,51-52,73-77,86-89.後藤博弥・井上剛一・田中眞吾・成瀬敏郎・南埜猛・田中智彦・久武哲也(2001)姫路市史第1巻上自然本編,姫路市史編集専門委員会,9,43-47,80-87.日本地質学会地質基準委員会(2003)3.付加体堆積物,地質学調査の基本-地質基準,日本地質学会地質基準委員会(編),共立出版,47-61.西影裕一(1996)播磨学紀要第2号,播磨学研究所,30-31.尾崎正紀・栗本史雄・原山智(1995)地域地質研究報告5 万分の 1 地質図幅[北条],岡山(12),59,地質調査所,9-10,25-35.竹村静夫・西村年晴・渡邉愛未(2010)日本地質学会学術大会講演要旨2010,日本地質学会,379.竹村静夫・竹村厚司(2020)兵庫教育大学研究紀要,57,163-176.竹村静夫・竹村厚司(2022)兵庫教育大学研究紀要,60,157-172.田中眞吾・野村亮太郎・井上茂・後藤博弥・井上剛一・東順三・田村憲司(1990)表層地質図および同説明書,土地分類基本調査「播州赤穂・姫路・坊瀬島・寒霞渓」,兵庫県,31-33.山元孝広・栗本史雄・吉岡敏和(2000)地域地質研究報告 5万分の 1 地質図幅[龍野],岡山(12),58,地質調査所,8,20-24.

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