Presentation Information
[J-P-6]Collection, culture and specimen preparation of living radiolarians from seawater samples at Izumozaki, Niigata
*Nagaoka J.H.S Attached to Niigata University N-Step Niigata1 (1. Nagaoka J.H.S Attached to Niigata University/N-Step Niigata)
研究者生徒氏名 3年 板垣 成俊
1. はじめに
「放散虫」は、海の中を漂いながら生活する動物プランクトンである。とても小さな単細胞の生物で、アメーバ状の体の中に、40~400㎛程度のガラスの骨格がある。生息した時代により骨格の形態が異なり、その変化が速いため、重要な「示準化石」と言われている。
私は、2021年の新潟ジュニアドクター育成塾ドクタープログラムで「生きている放散虫」の研究を開始し、現在もサイエンスキャンパス新潟の受講生としてその研究を継続している。
研究3年目の昨年度は、今までで一番多い38個の放散虫を見つけることができた。いろいろな種類の放散虫を発見することが出来て嬉しかったのだが、それらの飼育につなげることができなかった。(参考資料として昨年までの経過表を添付した。)
研究4年目となる今シーズンも「生きている放散虫を捕まえて飼育観察すること」を目標に、新潟県出雲崎町での海水サンプリングに取り組んでいる。放散虫は「殻」にならないと種の同定が出来ない。今年は自分で捕まえた放散虫の種の同定も行いたいと考え、捕まえた放散虫の標本作製にも挑戦している。
今シーズン捕まえた放散虫など、これまでの研究結果について報告する。
2. 研究の方法など
① 新潟県出雲崎町の海岸(水深約5m)からプランクトンネットを用いて日本海の海水を採取。採取場所を固定し、月に2回程度サンプリングを行う。
② サンプリングから帰宅後、採取した海水を倒立顕微鏡で観察し放散虫を探す。
③ 生きている放散虫を捕まえたら、自宅で飼育・観察を行う(仮足が確認できなくなり、死亡と判断するまで)。
④ 捕まえた放散虫の種を同定するため、死亡と判断した放散虫の個体を「殻」にして標本作製を行う。
3. 研究結果
今シーズン(2024年)はこれまでに7回のサンプリングを実施している。初回のサンプリング試料からナセラリア目の放散虫を12個体発見した。全個体とも発見時から仮足が見えず、生存していると判断ができなかった。その後、アカンタリア目の放散虫を多数発見することも出来た。しかし、まだ飼育研究に結び付く放散虫個体は発見できていない。
4.おわりに
今シーズンは、初回のサンプリング試料から大好きなナセラリア目を発見することができた。とてもラッキーだと感じている。今後もサンプリングと観察を継続し、飼育観察につながる放散虫個体を捕まえたい。
私は4年前の研究開始時から、「生きている放散虫を自分で捕まえて、飼育すること」を目標に研究を続けている。たくさんの種が存在し、示準化石でもある放散虫。放散虫を捕まえて飼育方法が確立できたら、放散虫の生態についてもっと知ることが出来る。それは、地球環境について知ることにもつながると思う。わからないことだらけで、とても大変な研究であるが、できることから一つずつ挑戦し続けていこうと思う。
キーワード:放散虫 日本海 プランクトンネット 光学顕微鏡 UVレジン
1. はじめに
「放散虫」は、海の中を漂いながら生活する動物プランクトンである。とても小さな単細胞の生物で、アメーバ状の体の中に、40~400㎛程度のガラスの骨格がある。生息した時代により骨格の形態が異なり、その変化が速いため、重要な「示準化石」と言われている。
私は、2021年の新潟ジュニアドクター育成塾ドクタープログラムで「生きている放散虫」の研究を開始し、現在もサイエンスキャンパス新潟の受講生としてその研究を継続している。
研究3年目の昨年度は、今までで一番多い38個の放散虫を見つけることができた。いろいろな種類の放散虫を発見することが出来て嬉しかったのだが、それらの飼育につなげることができなかった。(参考資料として昨年までの経過表を添付した。)
研究4年目となる今シーズンも「生きている放散虫を捕まえて飼育観察すること」を目標に、新潟県出雲崎町での海水サンプリングに取り組んでいる。放散虫は「殻」にならないと種の同定が出来ない。今年は自分で捕まえた放散虫の種の同定も行いたいと考え、捕まえた放散虫の標本作製にも挑戦している。
今シーズン捕まえた放散虫など、これまでの研究結果について報告する。
2. 研究の方法など
① 新潟県出雲崎町の海岸(水深約5m)からプランクトンネットを用いて日本海の海水を採取。採取場所を固定し、月に2回程度サンプリングを行う。
② サンプリングから帰宅後、採取した海水を倒立顕微鏡で観察し放散虫を探す。
③ 生きている放散虫を捕まえたら、自宅で飼育・観察を行う(仮足が確認できなくなり、死亡と判断するまで)。
④ 捕まえた放散虫の種を同定するため、死亡と判断した放散虫の個体を「殻」にして標本作製を行う。
3. 研究結果
今シーズン(2024年)はこれまでに7回のサンプリングを実施している。初回のサンプリング試料からナセラリア目の放散虫を12個体発見した。全個体とも発見時から仮足が見えず、生存していると判断ができなかった。その後、アカンタリア目の放散虫を多数発見することも出来た。しかし、まだ飼育研究に結び付く放散虫個体は発見できていない。
4.おわりに
今シーズンは、初回のサンプリング試料から大好きなナセラリア目を発見することができた。とてもラッキーだと感じている。今後もサンプリングと観察を継続し、飼育観察につながる放散虫個体を捕まえたい。
私は4年前の研究開始時から、「生きている放散虫を自分で捕まえて、飼育すること」を目標に研究を続けている。たくさんの種が存在し、示準化石でもある放散虫。放散虫を捕まえて飼育方法が確立できたら、放散虫の生態についてもっと知ることが出来る。それは、地球環境について知ることにもつながると思う。わからないことだらけで、とても大変な研究であるが、できることから一つずつ挑戦し続けていこうと思う。
キーワード:放散虫 日本海 プランクトンネット 光学顕微鏡 UVレジン
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