Presentation Information
[J-P-7]Finding radiolarian fossils by my own rock sampling in Nagaoka City, Niigata
*Nagaoka J.H.S Attached to Niigata University N-Step Niigata1 (1. Nagaoka J.H.S Attached to Niigata University/N-Step Niigata)
研究者生徒氏名:1年 板垣 礼子
1. はじめに
放散虫は、ガラスの骨格を持つ動物性プランクトンです。およそ5億年前に出現し、その骨格の形を変化させながら進化を続け、現在も海の中で生き続けています。ガラス質の骨格のために個体の数が多く化石になって残りやすいことなどから、放散虫は地層の年代を決めるのにもとても役立つそうです。
私は2023年、「自分で採取した岩石から放散虫を見つけたい!」と、新潟ジュニアドクター育成塾ドクタープログラムで、松岡篤先生のご指導のもと放散虫化石の研究を始めました。まず、地層探しを行い、岩石の採取、自宅でのプレパラート作製、そして顕微鏡観察を行いました。
その結果、私が採取場所に選んだ「新潟県長岡市落水」の泥層試料から放散虫化石を4個発見することができました。たった4個でしたが、見つけることができて本当に嬉しかったです。(添付の写真は、私が最初に発見したスプメラリア目放散虫化石です。)
2年目となる2024年はサイエンスキャンパス新潟の受講生として現在もこの研究を続けています。
今回は、昨年見つけた地層からさらに試料を採取し観察を行っているので、その結果も含めた研究結果を報告します。
2. 研究方法
(1)岩石採取
・新潟県長岡市落水に露出している地層から砂や岩を4か所採取。(地層のどの部位から採取したか分かるように記録する)。
(2)試料処理と標本作製
・試料をハンマーなどで細かく粉砕し、水を使ってほぐし、洗浄する
・プランクトンネットを用いて濾過し、固形物に少量の水を加えて試料とする
・温めたフライパンの上に洗浄したスライドガラスを置き、試料をシリンジで滴下し、水分を十分に蒸発させる
・試料が乾燥したら、スライドガラスをフライパンから下ろし、UVレジン液を泡が立たないように静かに滴下し、試料全体をレジン液で封入する
・市販のUVライトでレジン液を十分に固化させて、標本の完成
(3)光学顕微鏡で観察
・出来上がった標本を倒立顕微鏡で観察する
・放散虫化石を探す
3. 研究結果
昨年採取した試料と、今年新たに採取した試料の観察を行っているのですが、わずかに珪藻が見つかるのみ。現時点では新たな放散虫化石を発見できずにいます。
4.おわりに
私が採取した試料では、砂層よりも泥層の方が珪藻も多いので、泥層の観察を重点的に続けています。それでもなかなか放散虫を見つけることができません。実際にはもっと放散虫が含まれているはずだと思うのですが、私がまだ自信をもって放散虫化石を見分けることができていないのも見つからない原因の一つです。これからも、もっとたくさん観察を続け、経験を積む必要があります。
なお、UVレジン液を用いた標本作製については、自宅でも十分可能であることがわかりました。UVレジン液の厚さを均等にして見やすいスライドを作製するのが今後の課題です。カバーガラスを使ってみるなどの工夫をしてみたいと思います。標本として固める前の水を含んだ状態での試料をシャーレに移し、顕微鏡観察すると放散虫化石が探しやすくなることもわかりました。
これからも顕微鏡観察を続けて新たな放散虫化石を見つけてみたいです。そして、同じ落水の地層を各層ごとにサンプリングして、それぞれの地層の違いも観察できたら楽しいだろうなと考えています。
キーワード:放散虫 地層 新潟県長岡市 UVレジン液 光学顕微鏡
1. はじめに
放散虫は、ガラスの骨格を持つ動物性プランクトンです。およそ5億年前に出現し、その骨格の形を変化させながら進化を続け、現在も海の中で生き続けています。ガラス質の骨格のために個体の数が多く化石になって残りやすいことなどから、放散虫は地層の年代を決めるのにもとても役立つそうです。
私は2023年、「自分で採取した岩石から放散虫を見つけたい!」と、新潟ジュニアドクター育成塾ドクタープログラムで、松岡篤先生のご指導のもと放散虫化石の研究を始めました。まず、地層探しを行い、岩石の採取、自宅でのプレパラート作製、そして顕微鏡観察を行いました。
その結果、私が採取場所に選んだ「新潟県長岡市落水」の泥層試料から放散虫化石を4個発見することができました。たった4個でしたが、見つけることができて本当に嬉しかったです。(添付の写真は、私が最初に発見したスプメラリア目放散虫化石です。)
2年目となる2024年はサイエンスキャンパス新潟の受講生として現在もこの研究を続けています。
今回は、昨年見つけた地層からさらに試料を採取し観察を行っているので、その結果も含めた研究結果を報告します。
2. 研究方法
(1)岩石採取
・新潟県長岡市落水に露出している地層から砂や岩を4か所採取。(地層のどの部位から採取したか分かるように記録する)。
(2)試料処理と標本作製
・試料をハンマーなどで細かく粉砕し、水を使ってほぐし、洗浄する
・プランクトンネットを用いて濾過し、固形物に少量の水を加えて試料とする
・温めたフライパンの上に洗浄したスライドガラスを置き、試料をシリンジで滴下し、水分を十分に蒸発させる
・試料が乾燥したら、スライドガラスをフライパンから下ろし、UVレジン液を泡が立たないように静かに滴下し、試料全体をレジン液で封入する
・市販のUVライトでレジン液を十分に固化させて、標本の完成
(3)光学顕微鏡で観察
・出来上がった標本を倒立顕微鏡で観察する
・放散虫化石を探す
3. 研究結果
昨年採取した試料と、今年新たに採取した試料の観察を行っているのですが、わずかに珪藻が見つかるのみ。現時点では新たな放散虫化石を発見できずにいます。
4.おわりに
私が採取した試料では、砂層よりも泥層の方が珪藻も多いので、泥層の観察を重点的に続けています。それでもなかなか放散虫を見つけることができません。実際にはもっと放散虫が含まれているはずだと思うのですが、私がまだ自信をもって放散虫化石を見分けることができていないのも見つからない原因の一つです。これからも、もっとたくさん観察を続け、経験を積む必要があります。
なお、UVレジン液を用いた標本作製については、自宅でも十分可能であることがわかりました。UVレジン液の厚さを均等にして見やすいスライドを作製するのが今後の課題です。カバーガラスを使ってみるなどの工夫をしてみたいと思います。標本として固める前の水を含んだ状態での試料をシャーレに移し、顕微鏡観察すると放散虫化石が探しやすくなることもわかりました。
これからも顕微鏡観察を続けて新たな放散虫化石を見つけてみたいです。そして、同じ落水の地層を各層ごとにサンプリングして、それぞれの地層の違いも観察できたら楽しいだろうなと考えています。
キーワード:放散虫 地層 新潟県長岡市 UVレジン液 光学顕微鏡
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