Presentation Information
[J-P-19]Science of unknown phenomena (Shiranui phenomenon) 5 : Why can Shiranui only be seen on the night of Hassaku?★日本地質学会ジュニアセッション奨励賞★
*Kumamoto Prefectual Uto High School1 (1. Kumamoto Prefectual Uto High School)
研究者生徒氏名:
徳丸亮汰 小林 瑞 本田琢磨 新宅草太
村上聖真 米田直人 吉田大暉 西川幸輝
徳丸幸樹 堀田舞衣 橋本直大 西田琉花
1.はじめに
(1)目的
私たちは不知火という蜃気楼の一種の研究を行っており、八朔の晩にのみ見られるとされている。そこで、不知火海を吹く風や気温、海水温を探ることで八朔の時期の気象的な特徴を探り、不知火が八朔にのみ見られる理由を明らかにすることを目的にして研究を進める。
(2)昨年までの成果
一日、一年の中での風の解析を行い、不知火海では夜に海陸風、昼に季節風が吹くことが分かった。また、東西と南北の範囲で海陸風が不知火海という局所的な場所で吹いていることが分かった。
2.研究内容
(1)不知火海を吹く風の推定
①背景
不知火の再現実験において不知火海の風が不知火現象の発生条件の一つに含まれることが分かった。不知火の観測値である永尾を吹く風を調べようと思ったが、永尾付近には気象観測場所がなく、気象庁の観測データがなかった。そこで、永尾を吹く風を推測し、実際に観測して確かめることとした。
②広域での風の傾向
A九州全体での風の傾向
a方法
九州全体が高気圧に囲まれた九州沿岸を吹く風を月ごとに調べる。
b結果
・夜はほとんどの地点で一年を通して陸風とみられる傾向の風が吹いていた
・昼はほとんどの地点で夏に南風、冬に北風とみられる傾向の風が吹いていた
B夜に季節風が吹いていないことの確認
a方法
晴れた日の中で、1~3時の間に4地点(三角、松島、八代、水俣)全てで同じ風向きの風が吹いている日数とその割合を解析する。
b結果
晴れた日の1~3割程度しか夜に季節風が吹くことはない。
C考察
a海陸風について
一年を通して昼夜どちらも海陸風が吹く
b季節風について
季節風の強さは昼夜で変化する
③永尾での風
A永尾での風の推測
永尾での風を推測すると、夜は北風(陸風)、昼は夏に南風、冬に北風(季節風)が吹くと推測される。
B実際の観測結果
実際に9~12月に計10回観測を行うとほとんど推測と同じ傾向だった。
(2)不知火海の気温と海水温の関係
①背景
不知火を含む蜃気楼は密度の差によって光が屈折して発生する現象である。密度差は海水により温められた海面付近の空気と海水の影響を受けない空気の温度の差によって形成される。そこで、八朔の時期の晩の気温と海水温の関係を調べることとした。
②気象庁、水産研究センターのデータを用いた解析
A方法
気象庁の観測所「三角」での最低気温と熊本県水産センターが測定した不知火海の海水温を元に調べる。
B結果
冬に気温と海水温の差が最大になり、夏に最少となり、八朔は気温と海水温の差が大きくなり始める時期である。
③自作海水温測定器を用いた解析
熊本県水産研究センターのデータは一日の中で一回測られたデータであり、実際は一日の中でも海水温は変動しているため、自動で海水温を測る装置を作り気温との差を調べることにした。
A方法
作製方法 Arduino unoと温度センサー、SDカードモジュール用いて自動海水温測定器を作製する。作成した装置を浮き輪に固定して、アンカーなどによって潮流で流されないようにする。
3.まとめ
●昼と夜で季節風の強さが変わる
●永尾でも夜に陸風(北風)、昼に季節風が吹く
●八朔は夏よりも気温と海水温の差が大きくなる
4.今後の展望
■季節風の昼夜での強弱の違いの理由を明らかにする
■宇土半島の北側と南側とで、風の観測を続ける
■海水温測定器を用いて八朔の気温と海水温の差を調べる
キーワード:海陸風、季節風、不知火海、海水温、気温
徳丸亮汰 小林 瑞 本田琢磨 新宅草太
村上聖真 米田直人 吉田大暉 西川幸輝
徳丸幸樹 堀田舞衣 橋本直大 西田琉花
1.はじめに
(1)目的
私たちは不知火という蜃気楼の一種の研究を行っており、八朔の晩にのみ見られるとされている。そこで、不知火海を吹く風や気温、海水温を探ることで八朔の時期の気象的な特徴を探り、不知火が八朔にのみ見られる理由を明らかにすることを目的にして研究を進める。
(2)昨年までの成果
一日、一年の中での風の解析を行い、不知火海では夜に海陸風、昼に季節風が吹くことが分かった。また、東西と南北の範囲で海陸風が不知火海という局所的な場所で吹いていることが分かった。
2.研究内容
(1)不知火海を吹く風の推定
①背景
不知火の再現実験において不知火海の風が不知火現象の発生条件の一つに含まれることが分かった。不知火の観測値である永尾を吹く風を調べようと思ったが、永尾付近には気象観測場所がなく、気象庁の観測データがなかった。そこで、永尾を吹く風を推測し、実際に観測して確かめることとした。
②広域での風の傾向
A九州全体での風の傾向
a方法
九州全体が高気圧に囲まれた九州沿岸を吹く風を月ごとに調べる。
b結果
・夜はほとんどの地点で一年を通して陸風とみられる傾向の風が吹いていた
・昼はほとんどの地点で夏に南風、冬に北風とみられる傾向の風が吹いていた
B夜に季節風が吹いていないことの確認
a方法
晴れた日の中で、1~3時の間に4地点(三角、松島、八代、水俣)全てで同じ風向きの風が吹いている日数とその割合を解析する。
b結果
晴れた日の1~3割程度しか夜に季節風が吹くことはない。
C考察
a海陸風について
一年を通して昼夜どちらも海陸風が吹く
b季節風について
季節風の強さは昼夜で変化する
③永尾での風
A永尾での風の推測
永尾での風を推測すると、夜は北風(陸風)、昼は夏に南風、冬に北風(季節風)が吹くと推測される。
B実際の観測結果
実際に9~12月に計10回観測を行うとほとんど推測と同じ傾向だった。
(2)不知火海の気温と海水温の関係
①背景
不知火を含む蜃気楼は密度の差によって光が屈折して発生する現象である。密度差は海水により温められた海面付近の空気と海水の影響を受けない空気の温度の差によって形成される。そこで、八朔の時期の晩の気温と海水温の関係を調べることとした。
②気象庁、水産研究センターのデータを用いた解析
A方法
気象庁の観測所「三角」での最低気温と熊本県水産センターが測定した不知火海の海水温を元に調べる。
B結果
冬に気温と海水温の差が最大になり、夏に最少となり、八朔は気温と海水温の差が大きくなり始める時期である。
③自作海水温測定器を用いた解析
熊本県水産研究センターのデータは一日の中で一回測られたデータであり、実際は一日の中でも海水温は変動しているため、自動で海水温を測る装置を作り気温との差を調べることにした。
A方法
作製方法 Arduino unoと温度センサー、SDカードモジュール用いて自動海水温測定器を作製する。作成した装置を浮き輪に固定して、アンカーなどによって潮流で流されないようにする。
3.まとめ
●昼と夜で季節風の強さが変わる
●永尾でも夜に陸風(北風)、昼に季節風が吹く
●八朔は夏よりも気温と海水温の差が大きくなる
4.今後の展望
■季節風の昼夜での強弱の違いの理由を明らかにする
■宇土半島の北側と南側とで、風の観測を続ける
■海水温測定器を用いて八朔の気温と海水温の差を調べる
キーワード:海陸風、季節風、不知火海、海水温、気温
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