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[J-P-21]Predicting the distribution of ash fall at the time of the next large eruption of Sakurajima Volcano IV

*Kokubu High School Science Club Geoscience Group1 (1. Kokubu High School Science Club Geoscience Group)
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研究者生徒氏名:中村 一護・福永 成喜・中原 大成・久保 悠太

1914年に桜島が大噴火してから今年で110年が経過した。京都大学の研究によると桜島の地下にあるマグマだまりは9割ほどのマグマで充填され,この数十年以内の大噴火が予想されている。仮に桜島が大正噴火級の噴火をした際,どの方向に降灰が分布するかに興味を持ち,先輩達が研究を始めた。研究では,桜島上空の風向きの調査が必要であり,気象庁が公開している風向きのデータを入手し研究した。鹿児島地方気象台Webページにある,1日2回の9時と21時の高度別風向データを活用した。データは鹿児島地方気象台上空の風向きデータであるが,気象台によるとその風向きと桜島上空の風向きはほぼ同じとのことであった。昨年度までの成果は以下の通り(2012年~2022年までの462,027個のデータ)
・研究1年目:2021年の高度0~5kmまでの対流圏の風向を中心に解析した。風向のバラツキが大きいが,西風が多めであることが分かった。
・研究2年目:2013年~2022年の高度0~5km,5~20km,20~40kmの3つの高さに分けて風向を解析した。高度0~5kmは西よりの風向が多めだがバラツキが大,高度5~20kmはほぼ西寄りの風,20~40kmはほぼ東寄りの風が多かった。
・研究3年目:2012年の高度0~20kmに絞って風向を解析した。9時の結果は7~9月の夏は主に南寄りの風,それ以外の時期は主に西~南西の風であった。21時の結果は9時とほぼ同様の傾向であったが,11~3月ではどの高さもほぼ西の風で一定であった。ジェット気流の影響と考察した。
 昨年度までの研究から,7~9月の主に夏に大噴火が起こると桜島の北方向に位置する霧島市方向に多量の降灰が起こり,それ以外の季節では桜島の東側の大隅半島側に多量の降灰が起こると予想している。これまでの先輩達の研究では,大噴火の際の降灰分布の方向のみを考察してきたが,今年の研究では2023年から2024年までの最新の風向データを使って,これまで使わなかった風力と気圧データも入手して,実際に桜島が大正噴火級の噴火をした際の降灰について,降灰の向きに加えて,降灰量分布の推定を目標に現在解析中である。また先輩達のデータも活用して,年ごとでの風向に特徴がないかも検証することを目標に同時に解析中である。

キーワード:桜島,大正噴火,降灰,風向,風力

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