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[T12-O-5]Volcanic activities and their produscts along the coastal area of the Izu-Oshima volcano

*Osamu Ishizuka1, Takahiko Inoue1, Jun Arimoto1, Yoshihisa Kawanabe1, Teruki Oikawa1, Fukashi Maeno2 (1. GSJ, 2. ERI, Univ. of Tokyo)
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Keywords:

Izu-Oshima,satellite cone,coastal area

伊豆弧の火山では,応力場や地殻構造を反映してマグマの水平方向への地殻内長距離移動が起き,側火口列が形成されることが明らかになってきた(例えば八丈島, 伊豆大島).伊豆大島火山では,陸上部に多くの側火口が分布し,割れ目噴火に伴う火口列の形成も知られているが,海底部にも多数の側火口列が分布する(Ishizuka et al., 2014, 2015).生活や経済的基盤が存在し,噴火が起きた際の影響が懸念される沿岸域でも,側火山の活動による噴火活動がこれまで発生してきた可能性があるが,大型調査船が接近できない等の制約により,これまで調査が行われていなかった.本研究では,伊豆大島沿岸域における火山活動履歴の理解へ向け,1)高分解能地形調査,2)反射法音波探査による構造探査,3)小型ROVによる海底観察と採泥器による試料採取,を実施している.本発表では,その成果の概略を紹介する.
1)沿岸域側火口の確認 沿岸域調査により複数の側火口と見られる火山体が北西及び南東沿岸域を中心に確認された.沖合から陸上部まで,側火口の活動が起きてきたことが裏付けられた.北西沿岸域では,沖合で確認された北西―南東方向の断層が多数存在し,その変位によって北西―南東方向に伸びる凹地が形成されていることが明らかになった.認められた火山体には,断層による変位が見られるものとそうでないものがある.断層系は現在も活動的であると同時に,複数回の側火口列形成イベントがあったことが明らかである.
2)側火口配列の時間変化伊豆大島南西部千波崎から南西方向に伸びる高まりを確認した.千波崎陸上部には火口近傍相が確認でき,発見した高まりはかつての割れ目火口の海底延長部と考えられる.この火口から流出したと考えられる溶岩が陸上及び海底で認められ,14C年代から12200年前に活動したことが明らかになった.側火口列の配列は形成時期によって変化した可能性を示している.
3)側火口活動域の時間変化 南東側では北西側に比べ,地形の保存がよい側火山体や割れ目火口列が多く確認された.伊豆大島南東部では,現在のカルデラ形成以降の新期大島の活動による側火口列(Y4, N3等)が複数知られている.さらに沖合の側火山列で採取された噴出物に後カルデラ期の特徴を持つものが多く認められたことを併せて考えると,S2期以降,海底部に至る長大な側火口列の形成は主に島の南東部で繰り返し起きている可能性が高い.北西沿岸域では断層系の発達が顕著なのに対して南東沿岸域では明確な断層は確認できていない.南東沿岸域でマグマの生産,貫入が盛んで,地殻の伸張をマグマの貫入が補償しているのに対し,北西側ではマグマの供給が乏しく,正断層系の発達と盆地形成が起きているのかもしれない.
引用文献:Ishizuka, O.et al. (2014) Journal of Volcanology and Geothermal Research, 285, 1-17. Ishizuka, O.et al. (2015) Earth and Planetary Science Letters, 430, 19-29.

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