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[T8-P-1]Development of three-dimensional urban geological map of the southeastern part of Saitama Prefecture using borehole data

*Susumu NONOGAKI1, Keiya YONEOKA1, Tsutomu NAKAZAWA1, Junko KOMATSUBARA1 (1. Geological Survey of Japan, AIST)
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Keywords:

borehole data,urban areas,three-dimensional geological model,Web

産業技術総合研究所地質調査総合センター(以下,GSJ)では,経済産業省による知的基盤整備の一環として,自治体と協力しながら”都市域の3次元地質地盤図”の整備に取り組んでいる.この取り組みは,ボーリングデータを利用して都市域の地下数十メートルにおける地層の分布形態を明らかにするとともに,得られた地質構造の3次元データ(3次元地質モデル)をWeb上で広く公開するものである.これまでに千葉県北部地域(納谷ほか,2018)と東京都区部(納谷ほか,2021)についての整備が完了しており,これらはGSJのウェブサイト「都市域の地質地盤図」[URL1]で閲覧可能である.本発表では,上記の2地域に続いて現在公開準備を進めている埼玉県南東部の3次元地質地盤図に関して,その作成方法とWeb公開コンテンツの詳細について紹介する.
 埼玉県南東部の3次元地質地盤図作成では,まず層序区分の手掛かりとなる層相,年代,化石,物性などの情報をもつ層序ボーリングデータ(基準ボーリングデータ)を整備した.そのうえで,当該地域の地下約100m以浅を形成時期の古いものから順に地蔵堂層,薮層,上泉層,清川層,木下層下部,木下層上部,大宮層,沖積層という8つの地層に区分した.次に基準ボーリングデータを軸として,公共工事で作成された大量の既存ボーリングデータについてどの部分がどの地層なのかを指定する地層対比処理を行った.利用した既存ボーリングデータは,埼玉県から提供いただいたものが中心で,そのほか国や学術団体から公開されているデータを含む.続いて,野々垣ほか(2008)の手法に基づき,地層対比処理で得た各ボーリング地点における地層基底面の標高情報を用いて,各基底面の形状を推定した.最後に,地層の切った切られたの関係を考慮しながら各地層基底面および地形面を重ね合わせることで,サーフェスモデル型の3次元地質モデルを得た.
 作成した3次元地質モデルは,千葉県北部地域や東京都区部のケースと同様に,平面図や断面図,立体図などのWebコンテンツとして公開する.各コンテンツはいずれもマウス操作のみで利用可能である.平面図については,地表での地質分布を示す通常の平面的な地質図に加え,3次元地質モデルを構成する地層基底面の等高線図をWebマップとして閲覧できる.断面図については,始点と終点の位置を指定することで任意の測線に沿った地質断面図を作成できる.立体図については,地表面や地層基底面の形状を,岩相やN値に従って配色したボーリングデータと合わせて確認できる.このようなWebコンテンツは,誰もが容易に地下における地層の広がりを確認することを可能とする.
 3次元地質地盤図は,上記のような地質構造の高い可視性に加えて,3次元データであるという特徴からインフラ整備や地盤リスク評価など,さまざまな用途が期待できる.今後は神奈川県東部や千葉県北部延長地域などへ整備範囲を拡大しつつ,首都圏主要部をシームレスにつなぐ3次元地質地盤図の整備を目指す予定である.

文献
納谷友規ほか(2018)都市域の地質地盤図「千葉県北部地域」(説明書).55p.
納谷友規ほか(2021)都市域の地質地盤図「東京都区部」(説明書).82p.
野々垣進ほか(2008)3次B-スプラインを用いた地層境界面の推定,情報地質,Vol.19,pp.61–77.
[URL1] 産総研地質調査総合センター,都市域の地質地盤図,https://gbank.gsj.jp/urbangeol/.

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