Presentation Information
[T8-P-2]Distribution of basement gravel of the Pleistocene Yabu Formation in Chiba
*Takeshi Yoshida1, Osamu Kazaoka1, Takahiro Kojima1 (1. Chiba Prefectural Environmental Research Center)
Keywords:
Yabu Formation,basement gravel,permeable
要旨 千葉県北西部には標高20〜40 mの下総台地が広がる.この台地は中期〜後期更新世の堆積層である下総層群から主に成り,下位より地蔵堂層,藪層,上泉層,清川層,横田層,木下層,姉崎層の各累層と常総粘土で構成される.さらに,これらの上位にはロームが重なり台地表層部をつくる.低地には上述の累層が侵食され,その谷に沖積層が分布する.本地域の水文地質構造の単元区分は,千葉県と関係市町村が行った地質環境調査用オールコアボーリングを基に,千葉県八千代市を模式地とし単元名が設定された(風岡ほか,2013,2018;吉田ほか,2017).これらは,広域に対比できる透水層を上位から下位にYK-S1, S2, S3, S4, S5透水層,各透水層を仕切る難透水層をYK-C1, C2, C3, C4難透水層とした.この水文地質構造の透水層・難透水層と下総層群の累層の上部(浅海成の砂層主体)・下部(内湾〜淡水成の泥層主体)は,地層の主要部においておおよそ一致する(風岡ほか,2018・納谷ほか, 2018).ただし,累層の基底に河川成の砂礫層がある場合,この砂礫層は累層下部の泥層(側方への連続性の良い内湾〜淡水成の泥層である難透水層)よりも下位にあるため,水文地質単元では,下位の累層上部の砂層と同一の透水層として単元が設定されている.たとえば,下総層群薮層の基底には一部の地域で砂礫層が分布し,下位の地蔵堂層上部の砂層と合わせてYK-S4透水層を成す.同一の透水層区分であっても砂礫層の存在する箇所は特に地下水の流動速度が速いことから,地下水汚染の発生時には敏感に汚染を検出できることや汚染の移動が速いことが考えられる.
今回,薮層基底の砂礫層について,千葉県で行った地質環境調査用ボーリングおよび産業技術総合研究所地質調査総合センターの基準ボーリングの柱状図を用い,千葉県地質環境インフォメーションバンクと対象市町村の災害用井戸の地質柱状図の中から薮層最下部に砂礫層が存在する場合はその等層厚線図を作成し,また,薮層の基底面標高図を作成し検討した。薮層基底の礫層の存在は,県最北西部の野田市(標高−90 m付近),柏市北部・我孫子市西部(標高−70 m付近)・印西市西部(標高−60 m付近)・白井市中央部(標高−70 m付近)・八千代市北部(標高−60 m付近)・松戸市・四街道市まで分布することが明らかになった.
引用・参考文献
風岡 修・吉田 剛・藤ヶ崎稔・清水健一・長根山晧介・鈴木博也・楠田 隆 ・酒井 豊・楡井 久,2013,下総台地中央部の更新統の透水層構造と地下水質の概要—印西市〜八千代市について—.第 23 回環境地質学シンポジウム論文集, 23,69–74.
風岡 修・吉田 剛・香川 淳・八武崎久史・潮崎翔一・荻津 達,2018, 第6章 応用地質及び環境地質.都市域の地質地盤図「千葉県北部地域」(説明書),35–44.
納谷友規・中澤 努・野々垣進・中里裕臣・風岡 修・吉田 剛,2018,第3章 応用地質及び環境地質.都市域の地質地盤図「千葉県北部地域」(説明書),7–22.
吉田 剛・風岡 修・楡井 久・楠田 隆・酒井 豊・古野邦雄・坂田健太郎, 2017, 千葉県北西部に広域に連続する難透水層(YK-C1,YK-C2)の分布.第27 回環境地質学シンポジウム論文集,125–130.
高嶋洋,2008,最も脆弱な帯水層と地質環境管理.地質汚染―医療地質―社会地質学会誌,4, 43-54.
今回,薮層基底の砂礫層について,千葉県で行った地質環境調査用ボーリングおよび産業技術総合研究所地質調査総合センターの基準ボーリングの柱状図を用い,千葉県地質環境インフォメーションバンクと対象市町村の災害用井戸の地質柱状図の中から薮層最下部に砂礫層が存在する場合はその等層厚線図を作成し,また,薮層の基底面標高図を作成し検討した。薮層基底の礫層の存在は,県最北西部の野田市(標高−90 m付近),柏市北部・我孫子市西部(標高−70 m付近)・印西市西部(標高−60 m付近)・白井市中央部(標高−70 m付近)・八千代市北部(標高−60 m付近)・松戸市・四街道市まで分布することが明らかになった.
引用・参考文献
風岡 修・吉田 剛・藤ヶ崎稔・清水健一・長根山晧介・鈴木博也・楠田 隆 ・酒井 豊・楡井 久,2013,下総台地中央部の更新統の透水層構造と地下水質の概要—印西市〜八千代市について—.第 23 回環境地質学シンポジウム論文集, 23,69–74.
風岡 修・吉田 剛・香川 淳・八武崎久史・潮崎翔一・荻津 達,2018, 第6章 応用地質及び環境地質.都市域の地質地盤図「千葉県北部地域」(説明書),35–44.
納谷友規・中澤 努・野々垣進・中里裕臣・風岡 修・吉田 剛,2018,第3章 応用地質及び環境地質.都市域の地質地盤図「千葉県北部地域」(説明書),7–22.
吉田 剛・風岡 修・楡井 久・楠田 隆・酒井 豊・古野邦雄・坂田健太郎, 2017, 千葉県北西部に広域に連続する難透水層(YK-C1,YK-C2)の分布.第27 回環境地質学シンポジウム論文集,125–130.
高嶋洋,2008,最も脆弱な帯水層と地質環境管理.地質汚染―医療地質―社会地質学会誌,4, 43-54.
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