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[T14-P-3]ROV observations in the Ishigaki Graben on the southern part of the Okinawa Trough -Preliminary results of the KS-24-1 cruise-

*Ayanori MISAWA1, Osamu Ishizuka1, Hiroki Minami2, Masataka Kinoshita3, Seishiro Furuyama4, Mitsuki Mori5, Kunimasa Matsunaga4,8, Hideo Ishigaki6, Hikaru Iwamaru7, Hiroaki Koge1 (1. Geological Survey of Japan, AIST, 2. Hydrographic and Oceanographic Department, Japan Coast Guard, 3. ERI, The University of Tokyo, 4. Tokyo University of Marine Science and Technology, 5. Chiba University, 6. AORI, The University ofAORI, , 7. Nippon Marine Enterprises, Ltd, 8. Sogo Geophysical Exploration Co., Ltd)
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Keywords:

Okinawa Trough,Backarc Basin,Graben,Submarine Volcano,ROV observations

沖縄トラフ南部では約200万年前から断続的な背弧拡大が発生している(例えば、Sibuet et al., 1998)。沖縄トラフ南部には八重山海底地溝及び与那国海底地溝といった複数の地溝帯が存在し、正断層によって形成された凹地であるグラーベンが発達している。背弧拡大は、これらのグラーベンでその形成が進行していると考えられている。産業技術総合研究所地質調査総合センターでは、沖縄周辺海域での海域地質情報整備の一環で2018年8月に石垣島周辺海域での海底地質・海底地球物理調査を実施し、石垣島北方の鳩間海丘から石垣海丘群の地域に、これまで未報告の活動的な正断層により形成されたグラーベンを新たなに発見し、かつグラーベンの内部に複数の小規模な海底火山が点在することも明らかにした(Misawa et al., 2020)。また、海上保安庁海洋情報部では2017年に測量船及び自律型無人探査機(AUV)を用いた海底地形調査を同海域で実施し、同じグラーベンの存在及び海底火山の詳細な地形について報告した(Minami et al., 2020)。このグラーベン周辺では、複数の水中音響異常域の存在を指摘し、海底熱水域の存在の可能性が示唆された(Minami et al., 2020)。これまでの各調査結果を総合するとリフティング域である八重山海底地溝などで認められる特徴と一致するため、本グラーベンが非常に若い新たなリフティング域である可能性を指摘した(Misawa et al., 2020,Minami et al., 2020)。しかしながら、グラーベン内に点在する海底火山の目視観測事例及び山体を構成する岩石の種類や形成年代に関する報告は未だに無く、その詳細は不明であった。
 本研究では、2024年1月から2月にかけて実施した東北海洋生態系調査研究船新青丸(JAMSTEC)を用いたKS-24-1航海を実施し、石垣島北方沖に新たに発見したグラーベンである、石垣グラーベン(仮称)にて無人探査機ハイパードルフィン(HPD)による潜航調査を通じて、海底火山の形成・活動年代の特定および海底火山を作るマグマの起源や形成メカニズムなどの解明を目指して海底観察・岩石試料採取・地殻熱流量観測を行った。本発表では、新青丸KS-24-1航海での潜航調査で明らかになった石垣グラーベン内の海底火山の実態及び採取した岩石の特徴などについて、速報的に報告する。

引用文献
Minami et al., 2020, Marine Geology
Misawa et al., 2020, Geophysical Research Letters
Sibuet et al.,1998, JGR(Solid Earth)

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