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[T11-O-1]Depositional mechanisms of thick sediment layer highly enriched in rare-earth elements around Minamitorishima Island

*Kazuhide MIMURA1, Takahiro Kitazawa2, Kentaro Nakamura2,3, Kazutaka Yasukawa2, Junichiro Ohta2,3, Yusuke Kuwahara2,3, Yasuhiro Kato2,3 (1. National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 2. School of Engineering, University of Tokyo, 3. Ocean Resources Research Center for Next Generation, Chiba Institute of Technology)
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Keywords:

Seafloor mineral resources,REE-rich mud,deep learning,microfossils,ichthyolith,depositional age

近年,レアアースを濃集した深海堆積物「レアアース泥」が新しい海底鉱物資源として注目を集めている [1].特に,日本の南鳥島周辺海域では総レアアース濃度が5,000 ppmを超える非常に高品位なレアアース濃集層が確認され [2],実開発に向けた取り組みが進められている.
Ohta et al. [3] はオスミウム同位体比層序に基づいて,南鳥島周辺海域における大規模なレアアース濃集イベントが3,440万年前 (latest Eocene) に発生したことを示し,南極大陸氷床の形成に伴う深層海流の強化がレアアースの濃集をもたらしたと考察した.しかし,このメカニズムでは南鳥島周辺の一部の海域で見られる非常に厚いレアアース濃集層の存在を十分に説明することができない.特に,層厚5m以上にわたってレアアースが濃集しているMR14-E02 PC11コアにおいては,古地磁気の記録がオスミウム同位体比層序年代と整合的でないことが指摘されている [4].
この問題を解決するために本研究では,魚類の歯や鱗の微化石「イクチオリス」の生層序に注目した.レアアース泥の堆積学上の区分である遠洋性粘土には珪質・石灰質の微化石がほとんど産出しないが,リン酸カルシウムで構成されるイクチオリスは普遍的に含まれる.この特徴を活かして,遠洋性粘土に適用可能な唯一の微化石層序として古くから研究がなされてきた [5].イクチオリス層序年代の決定において,従来は時間と手間のかかる観察がボトルネックとなっていたが,発表者らは深層学習に基づく効率的な観察手法を開発し [6],多数のサンプルから膨大な数のイクチオリスを観察することを可能にした.これにより,近年ではレアアース泥の堆積年代決定にも盛んに用いられている [3, 7, 8].
本研究では,南鳥島周辺海域の中で特に厚いレアアース濃集層を持つMR14-E02 PC11コアを対象として,深層学習手法に基づくイクチオリス観察を実施し,堆積年代の制約を行った.その結果,濃集層の上部については先行研究と概ね整合的な年代 (latest Eocene 以降) を示した一方,濃集層下部の堆積年代は1,000万年以上古いearly Eoceneに制約された.このことから,南鳥島レアアース泥の開発において有望な対象の1つとなりうる非常に分厚いレアアース濃集層は,異なる時代に堆積した2つの濃集層が,それらの間の堆積層の削剥に伴い上下方向に接続したことにより形成された可能性が示唆された.

【引用文献】
[1] Kato et al. (2011) Nature geoscience, 4, 535-539.; [2] Iijima et al. (2016) Geochemical Journal, 50, 557-573.; [3] Ohta et al. (2020) Scientific reports, 10, 9896.; [4] Usui and Yamazaki (2021) Earth, Planets and Space, 73, 1-9.; [5] Doyle and Riedel (1979) Micropaleontology, 25, 337-364.; [6] Mimura et al. (2024) Earth and Space Science, 11, e2023EA003122.; [7] Tanaka et al. Newsletters on Stratigraphy (accepted).; [8] Mimura et al. (2024) ESS Open Archive, DOI: 10.22541/essoar.171804943.38756240/v1

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