Presentation Information
[T2-P-6]Geology of Lützow-Holm Bay, Prince Olav Coast and Enderby Land in East Antarctica, and report on the geological field survey in 2023-2024 (JARE-65)
*Tomokazu HOKADA1,2, Tatsuro ADACHI3, Yuki MORI4, Sreehari LAKSHMANAN5 (1. National Institute of Polar Research, 2. The Graduate University for Advanced Studies, 3. Kyushu University, 4. Japan Synchrotron Radiation Research Institute, 5. Shimane University)
Keywords:
Antarctica,metamorphism,Proterozoic,Archean
2023年11月~2024年3月の日本南極地域観測隊(JARE-65)において、東南極ドロンイングモードランド東部地域(リュツォ・ホルム湾、プリンスオラフ海岸)からエンダビーランドにかけてのエリアの地質調査を実施した。
この地域には、原生代末期~カンブリア紀(>6~5.2億年前)の角閃岩相~グラニュライト相(~超高温)の変成岩体である「リュツォ・ホルム岩体」が広く分布する。岩体の最高変成部のリュツォ・ホルム湾最奥部から西部(ボツンネーセ)地域では、原岩年代として25~18億年前エリアと11~10億年前のエリア、また一部に約6.4-6.3億年前の若い原岩年代のエリアが認められ、それらの原岩地質ユニットの相互関係・地理的関係の研究解析や境界の探索がすすめられている。また、東部のプリンスオラフ海岸地域では、10~9億年前の年代値を持つグラニュライト相(日の出ブロックほか)及び角閃岩相(あけぼの岩ほか)の“異地性”変成岩類の存在が近年見いだされ、その地質学的な位置づけの検証や変成プロセスなどの解析がすすめられている。
そうした原生代~カンブリア紀のエリアの東方のエンダビーランドには、太古代の高温~超高温変成岩体である「ナピア岩体」が分布する。ナピア岩体からは約38~26億年前の原岩年代が報告されているが、広大なエリアや多様な岩相のうちで年代値の分かっている地点は多くはない。
今シーズンの南極での調査は、南極地域観測第X期計画の一般研究観測「極域の大陸地殻の形成発達と太古代-原生代の地球環境変遷に関する研究」の一環として、夏期野外観測項目の1つとして実施された。調査隊のメンバーは、地質研究者4名で構成され、観測船「しらせ」搭載ヘリコプターとともに観測隊チャーターの小型ヘリコプターによる支援によっておこなわれた。
2023年12月から2月にかけて、リュツォ・ホルム湾南部(ルンドボークスヘッタ)の調査(第1期)、プリンスオラフ海岸沿岸露岩域の調査(第2期)、リュツォ・ホルム湾西部~南部沿岸露岩域の調査(第3期)、昭和基地滞在中の東オングル島およびラングホブデの調査(第4期)、復路エンダビーランド(アムンゼン湾周辺露岩域)の調査(第5期)、の5期に分けて実施し、第1期~第4期のリュツォ・ホルム岩体と日の出ブロック地域の調査では、①ルンドボークスヘッタ、②かすみ岩、③二番岩、④ベルクナウサネ、⑤インステクレパネ、⑥ベルナバネ、⑦きんぎょ岩の7露岩で野営による滞在型調査、それ以外に13露岩で短時間あるいは日帰り調査を実施した。エンダビーランド(ナピア岩体)の調査は、観測船「しらせ」がリュツォ・ホルム湾を離れて復路におこなわれ、結果的に1日のみの調査日程で、リーセル・ラルセン山(S地点)、トナー島(北端半島部)、ミラー山の3地点で日帰り(短時間)調査、ルンド山、グレーデル山、バーケット島の3地点でヘリの着陸地調査の駐機の合間に試料採取を実施した。南極での調査の詳細な内容・日程・設営面の情報は、外田ほか (2024, 南極資料)に報告をあげているので参考にされたい。
この地域には、原生代末期~カンブリア紀(>6~5.2億年前)の角閃岩相~グラニュライト相(~超高温)の変成岩体である「リュツォ・ホルム岩体」が広く分布する。岩体の最高変成部のリュツォ・ホルム湾最奥部から西部(ボツンネーセ)地域では、原岩年代として25~18億年前エリアと11~10億年前のエリア、また一部に約6.4-6.3億年前の若い原岩年代のエリアが認められ、それらの原岩地質ユニットの相互関係・地理的関係の研究解析や境界の探索がすすめられている。また、東部のプリンスオラフ海岸地域では、10~9億年前の年代値を持つグラニュライト相(日の出ブロックほか)及び角閃岩相(あけぼの岩ほか)の“異地性”変成岩類の存在が近年見いだされ、その地質学的な位置づけの検証や変成プロセスなどの解析がすすめられている。
そうした原生代~カンブリア紀のエリアの東方のエンダビーランドには、太古代の高温~超高温変成岩体である「ナピア岩体」が分布する。ナピア岩体からは約38~26億年前の原岩年代が報告されているが、広大なエリアや多様な岩相のうちで年代値の分かっている地点は多くはない。
今シーズンの南極での調査は、南極地域観測第X期計画の一般研究観測「極域の大陸地殻の形成発達と太古代-原生代の地球環境変遷に関する研究」の一環として、夏期野外観測項目の1つとして実施された。調査隊のメンバーは、地質研究者4名で構成され、観測船「しらせ」搭載ヘリコプターとともに観測隊チャーターの小型ヘリコプターによる支援によっておこなわれた。
2023年12月から2月にかけて、リュツォ・ホルム湾南部(ルンドボークスヘッタ)の調査(第1期)、プリンスオラフ海岸沿岸露岩域の調査(第2期)、リュツォ・ホルム湾西部~南部沿岸露岩域の調査(第3期)、昭和基地滞在中の東オングル島およびラングホブデの調査(第4期)、復路エンダビーランド(アムンゼン湾周辺露岩域)の調査(第5期)、の5期に分けて実施し、第1期~第4期のリュツォ・ホルム岩体と日の出ブロック地域の調査では、①ルンドボークスヘッタ、②かすみ岩、③二番岩、④ベルクナウサネ、⑤インステクレパネ、⑥ベルナバネ、⑦きんぎょ岩の7露岩で野営による滞在型調査、それ以外に13露岩で短時間あるいは日帰り調査を実施した。エンダビーランド(ナピア岩体)の調査は、観測船「しらせ」がリュツォ・ホルム湾を離れて復路におこなわれ、結果的に1日のみの調査日程で、リーセル・ラルセン山(S地点)、トナー島(北端半島部)、ミラー山の3地点で日帰り(短時間)調査、ルンド山、グレーデル山、バーケット島の3地点でヘリの着陸地調査の駐機の合間に試料採取を実施した。南極での調査の詳細な内容・日程・設営面の情報は、外田ほか (2024, 南極資料)に報告をあげているので参考にされたい。
Comment
To browse or post comments, you must log in.Log in