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[T4-P-3]Practice of strata observation learning with the cooperation of local residents

*Takuya HARADA1, Tadami SATO1 (1. Mt. Kurikoma Area Geopark Promotion Committee)
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Keywords:

Geopark,Mt. Kurikoma Area Geopark,Science Education,Community Study

はじめに
 栗駒山麓ジオパークでは,栗原市内の小・中学校向けに10以上の学習プログラムを提供し,地域探究や防災教育,理科学習を実施している.その中で,小学6年生理科の単元「土地のつくりと変化」において,実際に地層や岩石を観察できる場所がないか複数の学校から相談があった.そこで,エリア内で地層観察学習に適した候補地を調査して,その地点の地主や管理者と交渉し,複数地点で協力を得ることができた.本稿では,その一部地点の概要と協力状況,現在の活用実績について報告する.
地点1 築館新八ツ沢
 この地点では,縦7 m・横12 m程度の崖に瀬峰層の砂岩泥岩互層が露出する.本露頭は,比較的わかりやすい縞模様の地層が観察でき,規模も大きいため,学習教材として適切であると判断した.土地所有者に地層観察の現場として活用することを交渉したところ,子どもたちの学びに貢献できるならと快諾いただいた.ただし,現場保存のための除草作業などは,事務局やジオガイドが協力することを約束した.この地点での学習は,露頭全体のスケッチや地層を構成する岩石の観察などを行い,理科の教科書に即した解説を加え,自分の生活する地域の土地のなりたちについて考えるものである.栗原市南部に位置する小学校で主に導入され,年間5件程度実施している.
地点2 金成小迫集会場
 この地点では,縦6 m・横20 m以上の崖に下黒沢層の斜交層理が発達した砂岩層が露出する.本露頭は,明瞭な斜交層理が発達し,小学6年生の学習としては難易度が高いと思われる.しかし,規模が大きく比較的安全に観察できる点や,自分の地域の足下に風変わりの地層があることを知り,興味を持ってもらうことを目的に,学習教材の候補とした.この場所は集会場の敷地内にあるため,管理している区長と交渉したところ,子どもたちの学びに役立つのであれば是非にと快諾いただいた.学習内容は地点1と基本的には同じだが,栗原市北部に位置する小学校で主に活用している.
今後の展望
 地質分野は,現場へ赴き実物を観察しないと理解が難しく,理科教育でも,できるだけ野外学習の時間を設け,実物に触れ観察する機会をつくることが望ましい.そこで,本ジオパークで地層観察のできる地点を選定し,地域住民と交渉を重ね,野外学習の機会を提供するに至った.その結果,子どもたちが地層や岩石に興味・関心を持ち,理解を深めることができたというコメントを各学校からいただいている.今後,児童向けのアンケート調査などを実施して学習効果を検証し,より良い学習内容にしていきたいと考える.また,地点2の地域では,自分たちの住む場所に学習で活用されるような面白い場所があったという情報が,交渉した区長を通して伝わり,興味を持った住民が学習の様子を見に来て一緒に学習する事例があった.地域と協力した学習の実施は,子どもたちの野外学習の機会を創出するだけでなく,その地域の住民が自分の住む場所のおもしろさを知るきっかけになることも重要な点である.

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